第27話 寮の新入生制圧に成功。
入学式前日、私は予定通り寮にいる新入生62人を制圧した。
今晩は部屋に集まりぎゅうぎゅう詰めのパジャマパーティーだ。
寮内にいる時は、スッピンが許されるというルールを作って浸透した。
外でのスッピンはパンツを履いていないのと同等だ。
「イザベラ、肌綺麗すぎ」
寮内をタメ口、呼び捨て、スッピン特区にすることに成功して結束を深めるも、女同士の関係を良好に続けるのには細心の注意が必要だ。
「毎日朝でも30分パックしてから、化粧してるからね。美しさは努力の結果よ」」
実際のイザベラはなんの努力もしなくても可愛い子だ。
でも、それは一番妬みの対象になると私は知っている。
なぜなら、私が誰よりそういう子を実は妬んでいたからだ。
CAの最初の1ヶ月半の訓練所での研修でメイクレッスンがある。
30分のパックをしてから化粧をするとメイクのノリが違うらしい。
朝3時に起きても私はそれを続けていた、少しでも違うならと願ったのだ。
「イザベラの美意識すごすぎ、30分とか長すぎだわ」
皆、寮の中では自然体で過ごすようになっていた。
外では完璧でいるように心がけいつも見られていることを意識するのはストレスになる。
私は前職でギャレーを出たら、いつも周りから360度見られているのがストレスだった。
顔が機内の乾燥で痒くなっても、顔をかいた手で飲食を提供したら不潔と思われるのではと考えた。
私は自由奔放なイザベラと対極に位置する人間で、他人にどう思われるかを常に気にする人間だった。
「今、小説って誰が持ってるの? 私もう一回読みたいのだけれど。イザベラ書籍化はしないの? 」
『金に見えない女を求めて。』の小説の回し読みも成功した。
決して会えることのない年上のレジェンドイケメン、レナード・アーデン侯爵のファンは多かったのだ。
会えないだけあって妄想を膨らませ、彼を神格化するのだ
女子校育ちの私は同年代男子と接する機会が少なく、貴族令嬢という女子でお茶会をして過ごしている人間と近い感覚を持っていると考えていた。
男性に夢を見がちで見方が厳しくなっている、たまに見かける同年代に幻滅しやすく会えない年上に憧れることがよく分かっていた。
「書籍化なんて流石に恥ずかしいよ。素人の趣味の妄想だよ」
私はこたえながらほくそ笑んだ。
小説の話題を外でしたら、その話はなんの話だろうと知らない人は思う。
この小説は私を通して、貸出管理している。
私を無視したままでは読むことのできないシステムになっているのだ。
寮の外に出た瞬間、寮の子達は公爵令嬢の私に敬語を使う。
しかし、寮の中ではタメ口で呼び捨てだ、発言も明らかに気を遣わない心を許しているものになっている。
「そろそろ寝るよ。明日は入学式。私たちのお目見え場なんだから。みんな気を引きしめていくよ」
私は明日、寮の新入生のヘアメイクをして、全員にピンクのピンをさせる。
そのピンにフローラ様が気がついて、声をかけてくれるのが一番の理想だ。
新入生の寮生62名には入学式に相応しい完璧なヘアメイクを施す。
そして、彼女達の立ち居振る舞いも完璧に教育した。
寮内で気を抜いているだけあり、外に出た時は気を引き締めることができるだろう。
貴族令嬢の監督責任があると考えているフローラ様に、イザベラが新入生の寮生を完璧に教育したことが伝われば良いと考えた。
私は一刻も早く、真面目に生きているのにざまぁ要員になりそうなフローラ様にあって彼女のざまぁを防ぎたかった。
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