第10話 フローラを手放すな。

「ルイス、あなたここまでで12人しか集められていませんね。しかも、全員アラカンとはどう言うことですか? 老人会をやるのではないのですよ。取り敢えず、あなたの婚約者を参加させてください。王族のスキャンダルが発生したパーティーとして有名になります」


ルイ王子がしっかりと結婚適齢期の人間を30人集めて、年収、職業別に分類した表を提出して来たのに対してルイスは12人の枯れた方々しか集められなかった。


彼が枯れ専でない限りは、おそらく声を掛けられるような友人関係がないのだろう。


彼が集めたのは王宮で彼の家庭教師をしていたり、仕事関係で彼から言われたら断れない人間ばかりだ。

あまり言ってはかわいそうだから、私は彼の婚約者の出席を要請した。


「俺と同じ年だし、成人してないからダメだろう。しかも、フローラとは7歳で婚約して以来会ってないから頼めない」

兄ルイスは年頃にしては、妙な色気があり背も高く大人っぽいから成人でいける。

人数を集められないなら、自分が特攻するくらいの気概が欲しい。


彼が次期国王で大丈夫なのだろうか、明らかにメインキャラのルイ王子の方が優秀だ。

同じ仕事をさせて差が浮き彫りになる程、私は兄ルイスに死亡フラグが立っているような気がするのだ。


「アカデミーに通う年でもあなたくらい大人っぽい雰囲気なら18歳で誤魔化せますよ。しかも、女性はメイクでどうとでもなります。これを期にフローラ様と連絡をとってください。フローラ様は絶対に手放してはいけない存在ですよ。おそらく結婚後も彼女の父親は援助してくれますし、攻撃力の強い全体攻撃の魔法が使えるのを隠しているかもしれません。でも、まあこのパーティーで2人の間に亀裂が入るかもしれませんが、それも愛のスパイスとしてください。ルイスはあくまでサクラなので、あなたから会員登録費はとりません。フローラ様が他の男に揺れても、手放さない方が良いですよ。彼女にはあなたの気がついていない価値がある可能性があります」


私はフローラ派だ。

フローラなんて名前になっただけで、勝ち組人生を歩めそうな婚約者をほったらかして兄ルイスは何をやっているのだ。


「フローラは連れて来ない。ノルマは達成するから口出さないでくれないか」

兄ルイスは12歳で明らかに反抗期に突入していた。


口うるさく婚約者と連絡をとれと言ってくる、私をうるさい親戚のおばちゃんを見るような目で見てきた。


「まあ、もう年齢問わずで人数だけ集めてください。一番最後の会は老人会枠にします。実験的にゲートボールでもさせて見ようと思います。同じスポーツを楽しむことで、仲良くなり方が違うかもしれません」


私は一緒に料理をする出会いの場のようなものがあるというのをニュースで見たのを思い出した。

シニア世代は散々貴族の舞踏会で顔を合わせているだろうから、打ち解けるような何かを一緒にさせると良いかもしれない。


「スポーツを屋内でするのか?」

兄ルイスはやっと会社の従業員として意見を述べるようになった。


「ルイス、たまには良いことを言いますね。星降る夜の中ゲートボールをさせては老眼がはじまっている方達に玉の位置を確認するのは難しいでしょう。朝一番は老人ゲートボールの会を屋外で開催しましょう」


朝から元気なのは老人だけ、老人会は朝イチだ。

夜は若者にとっておいた方がそのまんま令嬢をお持ち帰りするようなトラブルも起きやすいだろう。

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