第4話 「当たり前」だとしても
一週間が過ぎ授業が始まった。やんちゃな男の子が多くていつも授業中でも休み時間でも騒がしい。先生が怒ることも多くて私にとってはとても慣れない環境だった。中学生になればみんなこんな感じなのだろうか、私とは全く違う種類の人間のように見えた。私にはあんな振る舞いはできない。
男の子と女の子が話すことは滅多になく、今までのように、「男の子」である私が女の子と仲良く話したら明らかに浮いてしまうし、私から女の子に話しかけれるような雰囲気ではなかった。私は完全に男の子の輪にも女の子の輪にも入れない存在、完全に両方の間の深い溝に落ちたようだった。
そして一週間が過ぎて迎えた身体測定や健康診断、他の子から自分の体が見られる形だったのでとても嫌な気持ちになった。
ただ単に見られるのがいやと言うより、自分の場合は胸も少しばかり膨らんでいたので他の男の子に自分の身体を見られるのがとても嫌だった。身体測定では165cm、小学6年生の1月よりたった3ヶ月ほどで1.3cmも伸びていた。
これが『当たり前』だとしても、自分の中では当たり前にはできなかった。
中学生になってから授業の中での一番の変化は自分の中では体育だった。
体育は男女で別れるし、合同だったとしても一緒に活動することはないから私はずっと男の子の中でやらなくてはならなかった。みんな体力はあるし、体格だってがっちりしている。私がこの中にいても何もできない、みんなには追い付けない、自分が存在できるような空間ではなかった。私はあまりにも弱すぎる男の子だった。
学校生活に少し慣れてきたあたりの頃の5月に体育祭があった。
その前に私は一つ大きな問題を起こしてしまった。
仲間たちと歩んだ中学3年間の思い出 はるるん @Harurun-3523
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