第2話 今日から中学生(2)
教室に戻ってきた。なれない教室、知らないクラスメイトたち、私は不安でいっぱい。一方、周りの子は和気あいあいと話している、そりゃそうか、だってあっちはずっと続いてきた関係があるもんね。
席に着くと後ろの席には小学校の同級生の女の子が座っていた。彼女とはそれなりに仲は良かったので、お互い話す人がいないしのんびり時間になるまで話していた。すぐそこに話せる子がいて助かった。
これからオリエンテーション、自己紹介はどうすればいいのだろうか。最悪なことに私の出席番号は早い方、他の子の自己紹介を参考にしようとしても「お手本」が少なすぎる。
・名前
・出身小学校
・趣味
・好きなもの
・ひとこと
先生が黒板に「自己紹介の内容はこれ!」って感じで書いたとしても、私の中では答えが出て来ない。なんていえば「正しい」だろうか、いや、「正しい」って何?自分が言ったこと、それが正しいんじゃないの?あーそんなこと考えてる暇なんてないよー!さぁ考えるんだ私!差し障りのないようなものを!
頭の中でぐるぐる考え続けていたら、あっという間に一つ前の席の子の自己紹介が終わりに差し掛かっていた。5分ぐらい考えて「もしかして自分の趣味パソコンだし、男の子っぽいのではー!?好きな食べ物はからあげ!どっちも嘘はついてない!私かんぺきじゃん!」と10秒で頭の中に浮かんできた、まるでテレビでよく見る頭の上の電球がピッカーンと光ったような感じ。よかった、間に合った。
こんなところで「あっ、、、えっと、、、その、、、」みたいなことをしてしまえば中学生活早々一瞬で笑い者になってしまうだろう。それだけは避けなければ。
そして自分の番が来た、さっき考えたことを組み立てて言った、そして言い終わった、ものの30秒ほどだったが本当に疲れた。どうしてこんなにも自己紹介だけで疲れるんだろうか、
そして教科書や数学の基礎問題集、いろんなプリントが分けられていく。
一つ一つの教科書は分厚く冊数も多い、小学校とは違う、真面目に勉強してこなかった私は中学の授業についていけるか不安だった。
「本当に何もかも違う、男女の差も、周りの人も、そして制服も、、、」
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