仲間たちと歩んだ中学3年間の思い出
はるるん
中学1年生 2019/04/05〜2020/03/02
第1話 今日から中学生
2019年4月(平成31年4月)、私は中学生になった。「平成最後の入学生」とも言われる学年だった。
制服は男子はピシッと決まった詰襟、女子は可愛いセーラー服。
私は生物学的にも戸籍上も登録上も男子なので詰襟を着ていた。だけど私は他の男子のようにピシッと決まってなかった。
あんまり好きにはなれない制服を着て、下駄箱に貼られた掲示を見て1年1組の教室へ向かった。
「知らない子たちばっかりだ、、、」私はとても不安になっていた。
周りの子達は小学校からの仲だから仲良く話してるけど、私は1地区だけの島流し組。私は普段女の子と話すことしかなかったので、男の子に話しかけることができなかった。それよりも何より既に形成されている輪に入るのはあまりにも無理難題すぎる。
私は不安な気持ちを抱えて、誰とも話すことなく入学式の時間まで静かに待っていた。
「新入生入場」そのアナウンスに合わせ、続々と同級生たちが入っていく。
皆は自信に満ち溢れている姿だ。詰襟姿の男の子もセーラー服姿の女の子もよく似合っている。だが、私はどうだろうか?
「好きになれない制服を着て、これまでの知り合いが9人しかいない中で一体どうしていけばいいの?」
私の不安げな表情はどのように映っているだろうか、おかしな姿ではないだろうか、自分でも不安だった。
新入生の呼名が一人一人されていく。「○○○○さん」と校長先生が呼び、男の子は声変わりが始まった力強い声で「はい!」と答え、女の子は声変わりしていない綺麗な声で「はい」と答えていく。私はどんな声で「はい」の一言をいえばいいのか非常に悩んでいた。悩んだ結果、スッと立ち上がり、少し高い声で「はい」と答え、膝を閉じて座った。
そのとき、頭の中につい最近の記憶が蘇った。小学校の卒業式の練習の時のこと。
「はるかさん、なんて足を閉じて座ってるの?」とクラスメイトから言われた。
私は「うん、そうだね」と返したけれど膝を開くことはなかった。
もしかして、おかしいことなのではないか、私はよく分からなくなっていった。
「新入生退場」しばらくの間、悶々といろんなことを考えていたら、退場のアナウンスがかかった。校長先生のお話も来賓の言葉も何も聞いていなかった。
退場時、前を歩いていたのは女の子。着ていたセーラー服がとても輝かしく見えた。
「私もあれ(セーラー服)を着れないかな、、、でも一応私は男の子だし、、、」そんな思いを抱いて教室へ戻った。
私、どうすればいいの、、、?何も分からないまま再び教室へ戻った。
こうして私の3年間の中学校生活が幕を開けた。私が実際にセーラー服を見に纏うのは2年弱後の春の日だった。
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