第47話 『運命の扉、共通テストの朝』
一月下旬。長く、そして苦しい受験勉強の果てに、ついにその日がやってきた。大学入学共通テスト当日。西山和樹は、早朝のひんやりとした空気の中、自転車を漕ぎながら試験会場となる大学へと向かっていた。空はまだ薄暗く、街灯の光が凍てついたアスファルトを照らす。彼の胸の内には、これまでの努力への自信と、未来への漠然とした不安が入り混じっていた。
試験会場の大学に着くと、すでに多くの受験生が集まっていた。張り詰めた緊張感が、重い空気となって周囲に漂っている。和樹は、校舎の入り口で、見慣れた顔を見つけた。月島咲良だ。彼女は、受験のプレッシャーを微塵も感じさせないような、いつもの涼やかな表情で、参考書に目を通している。和樹は、彼女の隣にそっと歩み寄った。
「咲良、お疲れ。緊張してるか?」
和樹が声をかけると、咲良は顔を上げ、和樹を見て小さく笑った。
「あら、西山くん。あなたも早いのね。緊張?そうね、少しはね。でも、あなたといると、なんだか落ち着くわ」
咲良の言葉に、和樹の胸が温かくなった。昨夜、咲良の自宅でマッサージをしたばかりだ。あの時の、和樹の指に身を任せ、快感に身悶える咲良の姿が脳裏をよぎる。あの夜、彼女の身体に触れることで、咲良の受験への不安が少しでも和らいでくれたのなら、と和樹は思った。
校舎内に入ると、和樹はさらに多くの見慣れた顔を見つけた。佐々木梓、小林遥、高橋梨花、山本結衣、伊藤楓。彼らもまた、同じ大学の同じ学部を目指し、この共通テストに挑む仲間だ。それぞれが、参考書を握りしめ、顔には緊張の色が濃く出ている。
佐々木梓は、隅のベンチに座り、目を閉じている。彼女は普段から落ち着いているが、この日の彼女からは、張り詰めた精神力が感じられた。和樹は、数日前に梓の自宅で過ごした夜を思い出した。あの時、梓は極度の不安を訴え、和樹の身体にすべてを預けるようにして、深いリラクゼーションを求めた。あの行為が、彼女にとって、今この瞬間の冷静さの支えになっているのだろうか。和樹は、梓の横顔に、静かな覚悟の色を見て取った。
小林遥は、友人と楽しそうに話しているが、その瞳の奥には、やはり緊張が隠せないようだった。和樹は、遥の自宅での、甘く、そして解放された夜を思い出す。あの夜、遥は「和樹くんがいないと乗り切れない」と本音を漏らした。和樹のマッサージと性行為が、彼女の精神的な安定剤となっていることを、和樹は肌で感じていた。遥の顔には、和樹との時間で得た、ある種の「覚醒」のような自信が、微かに宿っているように見えた。
高橋梨花は、和樹の姿を見つけると、軽く手を上げた。彼女はアスリートらしいストイックさで、直前まで問題集に目を通している。しかし、その顔には、和樹との行為で得た、内面からの「解放」が滲み出ているようだった。和樹は、梨花の自宅での、肉体的にも精神的にも限界を超えた行為を思い出した。あの時、梨花は「和樹くんがいなければ壊れていた」と告白した。彼女の身体と心が、和樹の存在によって支えられていることを、和樹は強く自覚していた。
山本結衣は、友人たちと談笑しながらも、時折深呼吸をしている。彼女の活発な性格は、この緊張感の中でも健在だ。和樹は、結衣の自宅での、情熱的で開放的な夜を思い出した。彼女の健康的な身体が、行為の中で官能的に反応し、和樹への深い愛情を示した。あの時、結衣は「和樹くんは私のヒーロー」と語った。和樹は、彼女の純粋な信頼と、行為によって彼女が得た自信を、誇らしく感じていた。
伊藤楓は、一人、壁にもたれかかり、静かに目を閉じている。陸上部のエースとして、常に冷静沈着な彼女の、研ぎ澄まされた集中力が感じられた。和樹は、楓の自宅での、アスリートとしてのストイックさと、官能的な快感とのギャップに驚かされた夜を思い出す。彼女は「和樹君しか、こんな風にしてくれない」と告げた。和樹は、彼女の身体の深奥にある快感を呼び覚まし、それが彼女の精神的な支えとなっていることを自覚していた。
それぞれの女子たちが抱える、受験への不安と、和樹との「深いリラクゼーション」によって得られた心の平穏。和樹は、自身の身体が、彼女たち一人ひとりの人生に、深く、そして秘密裏に関わっていることを改めて実感した。彼らの瞳の奥に宿る、わずかな自信と、これまでの自分たちとは違う「覚醒」のような輝きは、和樹との関係がもたらしたものだと、和樹は確信した。
そして、月島咲良。和樹の長年の片思いの相手であり、彼にとっての「本命」だ。彼女は、和樹の隣で、相変わらず涼しい顔で参考書を閉じ、大きく息を吐いた。
「さあ、西山くん。いよいよ本番ね。準備はいい?」
咲良の言葉に、和樹は静かに頷いた。昨夜の、咲良との濃密な夜を思い出す。他の女子たちとは異なる、将来を見据えた咲良の言葉と、その身体から感じた愛情は、和樹の心を深く満たしていた。この試験は、和樹と咲良、そして他の女子たち、それぞれの未来を決定づける重要な一日だ。和樹は、彼ら全員の思いを胸に、試験会場へと足を踏み入れた。
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