(3) 天地開闢(天地創造)の見えざる真実 中編2
伊邪那岐命・伊邪那美命・ゴードンの二神と一人、この奇妙な組み合わせは、まるで昔から友達だったような、関係を築いていった。 伊耶那岐命達は、海岸を歩きながら、にこやかに雑談をしていた。
「ねぇ、ゴードン君、あなたは、なぜ高木様と一緒にいることになったの?」と、伊邪那美命が言うと、
「それがさ、俺が、じいさんの家に・・・
あ、じいさんの家というのは、父の実家のことね。 その家は神社でね。古いご神木があるんだ。」
「そのご神木は、神々しくて、何か表現しようのない”気”のようなものを発している気がしてね。」
とゴードンは、朗らかに話していった。
「うんうん。それで?」と、相槌を打つ伊邪那美命。伊邪那岐命は、にこやかに、黙って妹の様子を見ている。でも耳は、まるで象のように聞き耳を立てていた。
「俺は、そのご神木が、気になって、両手で触れたんだ。あ、もちろん、手水舎で手を洗って神社へ挨拶をしてからだよ。」
「そしたら・・・なんと!」と、ゴードンは、驚きの顔をして、二神を見た。
「なんと?どうしたのだ??」と、伊邪那岐命が目を見開いてじろりと、ゴードンを見つめた。
「ああ、突然、靄がかかったような、不思議な空間に迷い込んだんだよ。そして高木様が話しかけてきて、この世界へ連れてこられのさ。」とゴードンが語った。
「そうだったのね。突然だったのに随分と冷静に対処できたのね?」と、伊邪那美命が言う。
「それがさ。不思議な感じがしてね。安心感?まるで、実家に居るような?いや、違う。あれは、何という感じかな。まるで、湯船に浸かって休んでいる感覚、ふわっとした羽根布団に包まれたような気持ち。表現が難しいな。」ゴードンは、頭を傾げながら思い出すように話している。
「だからだね。俺は、警戒することもなく自然に高木様と接することが出来たんだ。」
「そして” 汝の魂、我が理に同調せよ”と声が聞こえたら一緒になっていたんだよ。」
「それはまた・・・。神である我らでも体験出来ぬ不思議な体験をしたものだな。」と、感心しながら、伊邪那岐命が答えた。
「うんうん。でも、良かったよ。こんなに摩訶不思議な世界へ来られた!」
「俺は、やっぱり”何かと繋がっている”っていつも感じていたけど、合っていたんだ!と感じられてね。とても、気持ちがすっきりしているんだよ。」と、晴れ晴れとした表情でゴードンは語った。
「それは良かったわね。」と、伊邪那美命が、まるで我が子をみるような優しい笑顔で答えた。
伊耶那岐命達が、話に夢中になっているころ、高木神は、拠点場所を探しに様々な場所を見ていった。彼は、山・草原・砂漠・森林・湖と各地を見ていき、拠点場所を探しをしていた。やがて、高木神は、小高い丘に開けた草原、近くには湖があるという絶好の場所を探し当てることが出来た。
「うむ。ここなら、宿舎を作っても問題なかろう。」と高木神が、満足げに言った。
その場所をみつけ、高木神は、残りの追憶として見せる神”
「
高木神は、呼び寄せた角杙神・活杙神の夫婦に静かに語りだした。
「はい。高木殿。承知いたしました。規模はこの丘全体でよろしいでしょうか?」
と角杙神が、高木神に指示を仰ぐ。
「あぁ、そうだな。それでいいだろう。」と、高木神。
「
「えぇ、解ったわ。任せて。と言っても、この場所って、一時使用よね。高木様、ある程度だけやって、二神に、作業を見せるというのはどうでしょうか? ”国造りの場所の整備”は、終わっていますし、ここまで整備してしまうと、二神に見せられる内容が、無くなります。」と、妻である活杙神は、高木神へ提案をした。
「そうだな。それがよかろう。うむ。我も忘れていたわ。ありがとう。」
「我は、そろそろ、伊邪那岐・伊邪那美の所へ戻る。角杙神・活杙神よ、よろしく頼むぞ。」
と高木神は、お礼を言い去っていった。
「あちゃ~高木神殿は親ばかというか・・・やり過ぎだと思わぬか?」
と、角杙神が活杙神へ話すと、
「そうね。確かにそうかもしれないわね。私は、そういう高木神って好きですよ。」
と、活杙神が答えた。
二神は、そう話すと、事前準備のための作業を開始するのであった。
「お、高木殿が戻って来られるみたいだぞ。」と、伊邪那岐命が皆に話す。
「あ、本当だ!見えてきたわ。」と、伊邪那美命が、言い手を振っている。
「良く見えるものだな。俺には、小さすぎて見えないや。」と、ゴードンは関心していた。
しばらくすると、ゴードンにも見えてきて、認識することが出来た。ゴードンは、”さすが神だなぁ”と感心し”いくら仲が良くなっても存在が違うのだ”と、実感した。
戻ってきた高木神は、伊邪那岐命・伊邪那美命・ゴードンに微笑みながら、話し掛けた。
「待たせたな。なに、宿舎を建てねばならぬであろう?その場所を探しに行っていたのだ。良い場所が見つかったので整備を任せ、戻ってきたのだよ。」
「そうなのですか。この海岸でも良かったでは?」と伊邪那岐命が言うと、
「いや、ここは悪くはないが、少し国造りの作業をする場所から遠いのだよ。」
と、高木神は答えるのであった。
「あ、そうなのですね。それでは仕方がない。」と、伊耶那岐命が納得する。
「そうね・・・ここも良いけど、拠点は作業する場所の近くがいいわね。」と、伊邪那美命が納得した。
「うんうん。で、高木様、場所はどこなのですか?」と、ゴードンが言う。
二神とゴードンは、高木神を見つめ、答えを待っていた。やる気に満ちている二神を見て高木神は、 《いい感じだな。ゴードンとも打ち解けたようだ。安心したわ。》と、ほっとしていた。
「あぁ、この先に小高い丘があってな。そこに拠点を設けたのだ。近くには湖もあり、拠点には最適な場所だぞ。国造りの場所にも近いしな。」
「用意は・・・。必要ないな。もう休憩はよかろう?拠点へ行くとしよう。」
「はい。でも、ゴードン君は、どうしますか?飛べるのですか?」と、伊耶那岐命が尋ねると、高木神は、
「ゴードンよ。どうする?このまま向かうか?また、我の中に入るか?」と、問う。
「このままで良いなら、このままの方がいいな。やっぱり自分で行動したいしね。」と、ゴードン。
「それじゃ、私が乗せていくわ。」と、伊邪那美命が言うと、伊耶那岐命が顔をしかめた。
「まぁ・・・ゴードンは、我が運ぶことにしよう。」と、高木神が仲介するように言う。
「はい。解りました。よろしくお願いいたします。」と、場の空気を読み答えるゴードン。流石にゴードンも、そこまで鈍感ではなかった。
「では行くとしよう。」と、高木神は、行動を開始するのであった。
三神は、高木神を先頭に、伊耶那岐命・伊邪那美命と続いて飛んで行った。ゴードンは、高木神の力で一緒に飛んでいった。飛びながら、ゴードンは、高木神へ素朴な疑問を心の中で、投げかけるのであった。
《高木様、今更の質問なのですが…何故、私は、英語で聞こえるのですか?最初の時なんて英語で聞こえて次にフランス語。たまに、日本語で考えると日本語で聞こえたり、どうしてなのですか?》
《あぁ、それか、ゴードンよ。神とは心へそのまま直接響かせるのだよ。だから、神の言葉と言うのは、言語ではなく概念的に伝えるのだよ。会話しているように感じるがな。実際には違う。まぁ、多言語話者と思っていればよい。大きな問題ではないしな。》
《う~ん。理解は、できるけど…何故か納得が出来ない。普通に会話しているようにしか感じないので尚更だろうなぁ。便利だなぁ程度に留めておくのが良いな。深く考えるのは止めることにします。》
《そうだな。ゴードンよ。人は”神という概念”を理解できぬのだよ。仕方なかろう?人は、神では無いのだから。》
《わかりました。”すごいな神様”って事にして深くは考えません。》
《それが良い。そろそろつくぞ。》
「あそこに見える丘が、新しい拠点だ。」と、上空で説明をする高木神。
しばらく飛んだ後、三神とゴードンは、小高い丘に到着した。そこには、角杙神と活杙神が揃って待っていた。軽く挨拶を済ませたのち、三神と二神とゴードンは、区画整備されたところへやってきた。
「ここが拠点の中心部分です。高木殿が拠点用の建物を建てると言われていたので、造成のため仕切り用に杙を打っておきました。」と、角杙神が経緯を説明する。
「うむ。ご苦労。では、角杙神・活杙神よ、伊邪那岐・伊邪那美に対し説明をしなさい。」と、高木神は命じた。
「はい。私たちは、土地を整備し区画し、その土地を守護をするという役目の神です。私は、外周部分を守護し、活杙神は、内部の守護調整を行います。外から悪い事柄が来ないようにするのが、私、角杙神。内部の者が悪い思いや感情にならないように調整するのが活杙神です。」
「では、ここで私が内部の調整をしましょう。見ていてくださいね。」と、活杙神が語る。
活杙神がそう言うと、両手を広げ語りだした。
「この地に居る精霊たちよ。我らが、この地に居る事を認め、協力し、共に歩むことを承認してほしい。承認の場合は、木々を揺らし、否決するなら、強い風を起こしてここに示すように。」
すると、森の木々が、まるで踊っているかのように動き出した。
「承認と受け取ります。ありがとう。精霊たちよ。」と、活杙神が感謝の意を示した。
「伊邪那岐・伊邪那美よ。このように、其方らが来る前に、国造りの場所を整備しておったのが、この二神だ。」
「はい。解りました。」と、伊邪那岐命が答えた。伊邪那美命は、頭を上下に動かし納得。
「次に我の出番だな。では、周囲の囲いを強化しよう。皆の者、上空へ移動するぞ。」と、角杙神が言うと、上空へ飛んで行った。続いて高木神が、ゴードンを伴い飛ぶ。伊耶那岐命・伊邪那美命が後を追った。
上空へ高木神たちが到着したのを確認した角杙神は、
「我、角杙神、この土地を守護するもの。この土地が神に認められた土地であることをここに示す。」 と、言った後、光り輝き四方に打った杙も輝き始めた。
”その光は、慈愛に満ちた不思議な光で、心が自然と満たされるような温かい感じがする”と、ゴードンは思った。
そしてその光は、徐々に収束していったのだった。
「これで、守護の儀は完了だ。」角杙神は、そう言うと、降下していった。
高木神たちは、それを観察したのちに一緒に降下していった。
「理解できたかね?伊邪那岐・伊邪那美よ。」と高木神が問う。
「はい。とっても綺麗な光でした。」と、伊邪那美命が答え、伊耶那岐命も納得した顔をしていた。
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