第15話
家に帰った由美子は相正悟のことを思い出した
「相正悟、簡単に落ちたな」
と思った
彼は全く自分のことを疑ってない
盗みをやらせるのはどうか
お互いに責任はない
相正悟の子供を宿すことを考えた
いけないいけない妄想のし過ぎだ
相正悟を神様専用の教会へ連れて行くのだ
そこでお金を出させる
そのためには清水を何とかしなければ
由美子は清水の美しさに嫉妬していた
次の日、相正悟のスマホに由美子からLINEが入った
「おはよう相正悟」-由美子
「おはようございます由美子さん」-正悟
「調子はどう」-由美子
「いいです。ありがとうございます」-正悟
「明日 会えるかな」-由美子
「いいですよ お願いします」-正悟
と 相正悟は不思議に思い
「今 何処ですか」-正悟
「田中のマンション」-由美子
「田中のマンションって何処ですか」-正悟
「それは教えられない 今は」-由美子
「待ち合わせは何処で」-正悟
「西谷の駅 でどうですか」-由美子
「いいですよ では西谷駅 午前十時でどうですか」-正悟
「いいよ」-由美子
「西谷駅 午前十時 でお願いします」-正悟
「わかった じゃあね」-由美子
「じゃあ」-正悟
こうしてLINEのやり取りは終わった
相正悟は歩いて西谷の駅に向かった
歩道橋を渡って階段を上る
そこに由美子が待っていた
今日は白い半そでにベ-ジュのスカートだった
「おはよう」と由美子が言った
「おはようございます」と相正悟
この日二人は桜木町近辺をデ-トした
もちろん由美子は
清水のことや神様のことを相正悟に教えたりはしなかった
由美子と相正悟はまたしても夜を共にした
神様は田中のマンションにいた
田中に呼び出されたのである
神様はそこで怒りをあらわにして突っ立っていた
三人の信者は腕利きで、二人の田中の部下に目を光らせていた
「なぜ私を呼んだ」と神様
「今日はお前の思いどうりにはならん」
と神様は言った
田中はソファーの中でニヤリと笑った
「神様、あなたの望みは清水だ ちがいますか」
「うむ その通りだ」と神様
「力ずくで清水を手に入れなさい それしか手はない」
と田中
「今さら、そのようなことはできん」
と神様
「私がやってあげようか」
と田中
「そんな事は許さん」
と神様
「じゃあ あきらめて下さい」
と田中
「それとも私が、神様あなたの目の前で清水を開かせて見せようか」
と田中は言った
「わしにどうしろというんじゃ」
と神様
「三億欲しい、本当の三億だ それで手を打ってやる」
と田中は言った
「清水さんはどうなる」
と神様
「三億円を振り込んでくだされば ”あなたを愛してる”と言わせて見せよう」
と田中は言った
「わしにはそんな無理じゃ」
と神様
「あなたにかかってます神様」
と田中は言った
「ではそうしよう」
と神様
三人の信者は息をのんだ
「ではわれわれは仲間です 宜しくお願い致します」
と田中は言った
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