第2話・猫耳魔法使いのお・ね・が・い☆
「やだ」
「まだ何も言ってないわよ!」
俺、灰島条牙はこのアホくさい猫耳魔法使いに絡まれてて、誰か助けて…状態だ。
「わたしはあなたを推薦しようとしてんの、わかる!?」
そんな、ゲームだのなんだのって、こんな時に話すようなものなのか?
「嬉しいと思わないの、あなた!?」
「そんな、ゲームのチュートリアルもしてないのに分かるわけないだろ」
今、親友の死に感傷を浸っていたのに、このエセ魔法使いのせいでぶち壊しだ。
「あなたねぇ…!いい加減にしてくれる!?
私は今回のゲームのノルマ課せられてて、今日クリアしないと、あとが危ないのよ!」
あ、ついに言っちゃた。そんな糞な理由で俺をゲームに連れてこうとしたのかよ。
「あ、思い出したわ!そのゲームをクリアすると、願いを一つ叶えてくれるのよ!」
何っ!?
もしかして、親友を生き返らせることも…?
「ええ、できるわ」
「今、心の声聞いたろ!」
なんなんだ!この女の子とかゲームとか!!
だが…乗るしかない。
「わかった。そのゲームに推薦してくれ」
「あれ〜?参加しないんじゃないのかしら〜?」
俺はそう言われても、女の子の方を見る。
「お願いだ、灰島条牙をゲームに推薦してくれ!」
エセ魔法使いはその言葉を待っていたかのように、言う。
「わたしの名前は、
そう言うと、手を差し伸べる。
「握手よ、この世のどこでも礼儀は共通でしょ?」
そう聞いて、すぐに俺は差し伸べられた手を握る。
「やっと…最後の一人が決まったわ」
そう聞くと、急に胸が痛くなる。
胸を見ると、俺の体に風穴が空いていた。
文字通り胸に虚空があった。
「どういうことだよ…」
「ふふっ、ちゃんと上には推薦しとくから」
そう言われ、俺は雨の中、墓場の前で息絶えたはずだった…
カッカッカッ←ライトの点灯音
眩しい光に目が覚める
ここは何処なんだ、明らかにあの世っていうわけじゃないぞ?
そこは、広くて、レストランのように丸い机と椅子が置いてあり、ライトのおかげで、司会は良好だ。
俺は部屋を見回して、一点の気づきになった。
俺以外の人が居る!
それも一人ではない、結構居るな。
とりあえず、あの人達と話してみるか。
「あ、こんにt…」
「はぁ〜い、はぁ〜い!ど〜も!皆起きてる〜?」
スピーカーから出るこの聞き覚えのある声は、
「そうだよ〜!わたし、猫羽桃花よ〜!覚えてる〜?」
猫羽桃花、桃のように淡いピンクの髪色であり、猫耳を付けてたり、魔法使いのコスプレをしたりと、設定がめちゃくちゃだ。
そして、俺を殺したはずの奴でもある。
「君達は、ゲームの選択で<はい>を押したんだよ〜!」
俺はこの選択で地獄のような事が待っているのは知りたくはなかった…
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