第12話 創造主(プロトデウス)覚醒と、“律法の最終審判”
神界の深奥──運命律(オーダー)の中枢、《律法聖域》。
そこでは、神々の最終手段「律法の再構築」が始まっていた。
神々は、静の存在が世界の根源的秩序を揺るがしていることを確信し、運命律そのものを“書き換え”、彼女の力を根底から封じようとしていた。
「運命律の再構築により、彼女の干渉を無効化する。これが最後の砦だ」
概念神イストリアの声は冷徹であった。
「だがそれは、世界そのものの崩壊の危険を孕む」
◆
一方、異世界の王都では、レティアと静が静かに待機していた。
「この《律法聖域》の再構築が始まれば、私たちの存在すら否定される」
静は表情を曇らせる。
「だけど、あなたの力なら超えられるはず……私があなたの鍵だもの」
レティアの瞳は強く、揺るがなかった。
◆
静は《オムニタイム》の完全解放を決意する。
「今度は制限なし……この世界のすべてを再定義する」
静の意識は運命律の中枢へと接続され、因果の連鎖が見える。
世界の“初め”に触れ、神々の構築した秩序の根幹を掴む。
「これが……創造主(プロトデウス)の真の姿か」
世界の根源的因果を握りしめる静は、その因果の一つひとつを丁寧に“再書き換え”していく。
神界の神々は驚愕した。
「彼女は……神々の上位にいる。いや、神々の上の“創造の根源”を掌握している!」
運命律は崩壊し、世界は一時的に不安定となる。
神々の力が消え、秩序が乱れ始める。
「これが、新しい“律法”──新しい世界の約束」
静は静かに言った。
「レティア、あなたと共に、この世界を創り直す」
レティアは微笑み、静の手を握った。
そして、新たな運命律が世界に刻まれる。
神々も人々も、これまでとは異なる秩序のもとで生きていくことになる。
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