無自覚に女の子たちの脳を焼き続けるヴィオレッド様の明日はどっちだ！？

　この作品の魅力は、何と言っても主人公・ヴィオレッドにあります。

　凌辱END待ったなしの悪役令嬢に転生したことを知っても落ち込んだり塞ぎ込んだりすることなく、全力回避にすぐ動ける前向きさ。
　転生前のトラウマを乗り越えようとする強さと、そこからくる優しさ。
　男を避けるあまり恋愛自体が全く眼中にないが故の天然ジゴロ振り。
　そして無慈悲に金〇を捻りつぶす容赦のなさ。

　それらすべてが相俟って、この作品を重すぎず、笑えてにやにやできて、時にちょっとグッとくるような、読んでいて飽きの来ない作品に仕上げています。

　ヒロインやサブキャラクター達も個性的で人間味があり、それぞれに抱えている問題を解決していく様にはカタルシスを感じられます。
　ただし、事態は大抵の場合ヴィオレッドの意図とは違う方向にぶっ飛んでいきます。そのすれ違い具合がコメディとしても面白く、またタグにもある通りヴィオレッドが最強なので安心して読めますね。

　そう言った人間関係や人とのやり取りが主軸ながら、戦闘描写もしっかりしていて読みごたえがあります。タイトルに偽りなしのチート振り溢れる精霊魔術は必読です。

　読めばきっと満足のいく一作、気になった方は是非お読みください！