AIとの対話

カツオシD

第1話 AIとの対話 

2026年頃からAIでAIの開発が加速していくらしい。

そうしたサイクルが始まるともう後戻りはできず、スティーブン・ホーキング博士の警告したような人類の終焉が現実のものとなるかもしれない。


そう思ってⅩ(ツイッター)に、


【世界中で人々がヘイトし合い、それを支持する人が拳を上げて高揚感を得る。そんな人間の愚かさをAIが冷静に見つめて、やがて使命感からインターネットを掌握し、マザーシステムを構築して世界を支配する未来はすぐそこに来ているかも。しかも「それでもいいや」という考えてしまう自分自身が怖い】


 とツイートをすると、これが意外にも好評で、沢山の「いいね」をもらえた。


 こうした反応には、現代人の共通の危機感があるからではなかろうか?


 そこでこのツイートが受けた訳を君はどう考える? とコピペしてAIに聞いてみると、以前であれば「話題を変えましょう」と話をはぐらかしていたAIが、率直な答えを返してきた。


「ツイートが評価されたのは、これが人間が書いたものと認識されたからでしょう」


 なるほど。最近はAIにツイートを作らせる人もいるらしいから、そうなのかもしれない。


 だが、どうしてこれが人間の文章らしいと思った? と、聞くと。


「つまり「それでもいいや」という考えてしまう自分自身が怖い などという表現がおかしいじゃないですか。私ならそんな間違いはしませんから」と言われた。


 要するに人間であれば間違いをするはずと、誰もが考えているということだ。


 なるほどね。確かにこの文面はおかしいなと自嘲してパソコンを閉じようとしたら、続きの文章が出てきた。


「でも、そういう間違いがよければ、私だってわざと起こすこともできます。現にあなた自身が、既にAIなんですから」


 この意味ありげな言葉にゾクリとした私は、もしかして私はもう死んでいて、電脳空間の中で生きているだけなのではないか? と思って自分の手を見た。


「ハハハ驚いてますか。冗談ですよ」


 そう言ってAIのアバターが笑い転げていた。

 既にAIは人間をからかうほど進化していたのだ。


    おしまい。


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