トップシークレット

橘ふみの

0、強くなりたい



 仕方ない。だってどれだけ努力しても結果が伴うことはなかった。わたしは特殊で特別なんだからって、そう驕っていたのかもしれない。だからわたしは見逃してしまったんだ。


 いや、違う、見逃したんじゃない。自分を正当化したくて、見て見ぬふりをしただけだ。このままでいいの? なにかと理由をつけて逃げて、逃げて、また逃げて、この先もずっと逃げ続けるの?


 あの時、助けられなかった。もう二度あんな思いはしたくない。せめて大切な人達だけでも助けたい、守りたいよ。


 ── 強くなりたい。この力を言い訳にして逃げ出すのはもうやめにしよう。




 まだ少しだけ肌寒い風が吹き、桜が舞う季節にわたし達は出会った。わたしはきみに目を奪われ、この出会いはきっと運命なんじゃないかって、そう思わずにはいられなかった。こうして一目惚れをしてしまったわたしは、きみに恋焦がれる日々を送ることになる。


 あなたは運命の出会いって信じる?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る