28歳と6ヶ月

トントンのワルツ

第1話 心臓の音

2024年9月22日


彼女と晩御飯を食べているときに1本の連絡が自分のiPhoneに。


「母さんがすい臓がんのステージ4」


27年間生きてて聞いたことがない父親からの言葉。


同時に聞きたくなかった言葉の一つ。


何とも言い難い父親の力のない言葉。


文字通り、頭が真っ白。


鳴り響いた自分の心臓の鼓動音。


いつもの何倍にも聞こえた。


それしか聞こえなかった。


自分自身がそれを受け入れることを拒否していたのだろう。


でも過去は変わらない。


事実が、強烈な現実が、電話越しにやってきた。


夏の終わりかけ、コンサート帰り、呆然と家に帰った。

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