ユメキロク

城下ゆうき

第1幕:現実世界

 僕は、とある会社に勤めている普通の会社員。

世間では【サラリーマン】や【社畜】と呼ばれている存在だ。 

 

 そうして、毎日のようにミスをし、上司に謝罪している毎日だ。

僕はなんでこの会社に入ったのだろうか?


 そんなことを考えながら仕事をしていると……。


          『あっ!』


 ミスをしてしまった。


 (上司に謝罪しにいかなければ)とおもいつつ、(こんな会社やめてしまおうか)ともおもってしまった。


 そして、仕事が終わり、家に帰れるのは22時だ。

家に帰れば、深夜にやっているテレビを適当に見ながら、やけ酒をする毎日だ。


 「いつからこんな生活になったしっまたのだろう……。」そう意味のない愚痴を毎日のようにテレビと、空っぽになった酒缶にこぼしている。


 そんなある日、勤めている会社が、過去を見る機械の開発に成功した。


 簡単な仕組みとしては、寝ている人の夢にその人の過去を映し出すようなシステムらしい。一応開発に関わっているため、そういった情報は知っている。


 光栄なことかはわからないが、部長と会社のみんなに勧められ試作品の体験をできることになった。いつもは冷たいみんなが今日は優しくしてくれて、嘘だとしても少しうれしくなった流れで、思わず即諾してしまった。


 だがしかし、僕は今まさに、夢の世界で一生暮らしたいと思っていたのである。

 

 そう夢の世界なら、働かなくてもいい、ということは、ミスを繰り返し謝罪する毎日から解放されるということだ。

 

 だが所詮は体験、夢が終わればまた労働が再開してまうと考えるだけで気が重くなる。


 なぜかその日は早くに家に帰らせてくれた。上司いわく


 「しばらく親に会わないかもしれないから、あいさつぐらいはしておけよ。」と言っていた。まるで、明日死んでしまうかのような言い回しだった。


 「お言葉に甘えさせていただきます」と言って、帰ってきたのである。


 しかし、僕が住んでいるのは東京、親は大阪に住んでいるのである。なので、帰れても本当に挨拶だけで終わってしまい、直前にこの世界が名残惜しくなってしまうとおもったので、通話だけにしておいた。


 そこで伝えたのは、

【最近認められたかはわからないけれど、みんなが僕をせっかくなら最初の体験者にしてあげてほしいと言われて、最初に体験できることになった。】

ということで、仕事の悩みは言わないようにした。言ってしまったら過度に心配してくるので言わないようにした。


 次の日、ついに体験の日になった。

【ドキドキ】と【ワクワク】のふたつの感情が入り混じっていた。遂に、リクライニング式の椅子に座らされ、全身を固定されて、頭には配線がむき出しの自転車のヘルメットのような装置を取り付けられた。


 そして、麻酔が打たれだんだんと視界が狭くなり、暗くなっていった……。


 (あぁ、今から夢の世界での生活がはじまるの…か……。)



 

 

 

 

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