商店街という名のバトルフィールド
翌日、僕はリィナの乗るベビーカーを押すレオナと共に商店街へと買い物に来ていた。
買い物の目的は食材の買い足しと昨日僕が割った食器の購入。
もちろん、その食器の中には桜柄のペアプレートも入っている。
まずは食材を買いに八百屋や肉屋、パン屋など様々な食材を扱う店をレオナは眺めているけど、僕の頭の中には次は動画を見ながらどんな料理を作ってみようかなと考えていた。
そんな中、僕は「体にいい水」と書かれた瓶を見つける。
体にいいのならレオナにもいいだろうし、リィナにだっていい筈だ。
僕はその瓶へと手を伸ばす。
しかし……。
「ハルト……それは買わないぞ?」
レオナに止められてしまった。
「え……?でも体にいいって……」
「値段を見てみろ」
「え……?」
僕はレオナに言われて値段を見るとその金額に驚いた!
体にいい水、800エント
高……っ!?
普通の果汁を使ったジュースの入った瓶が150エントなのに比べるとこの値段は3倍以上……!
レオナが買わないと言った理由がよく分かった。
「いいかハルト、こういう"体にいい"と謳っているものは大体高いんだ。買う時はきちんと値段を見て買うんだ」
「わ……分かった……。じゃあさ……こっちの牛乳は……?」
僕は牛乳を手に取るとレオナへと手渡も、レオナはそれをじっと見つめると僕へと返してきた。
「ダメだ。これも買わない」
「なんで……?これいつも買っている牛乳じゃないか」
「日付を見ろ、それは消費期限が近い」
「え……?」
言われてよく見ると確かに消費期限と言う所に書かれている日付があと数日しか無い。
「買う時は値段と日付をよく見るんだ、これは主婦として当たり前の事だ」
な……なるほど……、これが主婦の目……!
もし僕が一人で買い物に来ていたら何も見ずに買って、後でレオナに怒られてしまうことだろう。
「さて……と……」
ある程度買い物を済ませると、突然レオナからただならぬ雰囲気を感じた。
「どうしたのレオナ……?」
「ハルト……私はこれから戦場に行ってくるからリィナを頼む!」
「せ……戦場……?」
戦場ってどういう事……?
僕にはレオナの言う意味がわから無かった。
しかし、レオナは僕にリィナが乗るベビーカーを託すと何処かへと走って向かっていく!
僕は大量の荷物を抱え、ベビーカーを押しながらレオナの後をついていくと一軒の店へと辿り着いた。
そこは生鮮食品の店で、「特売!」の文字が書かれた旗が立っており、多くの年齢種族問わず多くの女性たちで混雑していた。
「よし……!行くぞっ!」
そしてその中にレオナは躊躇うことなく向かっていく。
それは確かに戦場そのものであった……。
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