茹でたジャガイモ……どうやってすくう?

 ジャガイモを茹で始めてから暫く経った頃……僕は串を使ってジャガイモを刺して見る。


 すると、何の抵抗もなくジャガイモへと串が刺さった。


 よし……!いいみたいだ!

 ……いいみたいだけど、どうやってこれジャガイモを取り出すんだ?


 手ですくう……?


 いやいやいや……!そんなの大火傷するだけだ!


 なら……ならどうすれば……。


「今度はどうしたんだ、ハルト?」


 鍋の前でウンウンと頭を悩ませていると、リィナを抱きかかえたレオナが再びやって来た。


「あ……、レオナ。これジャガイモをどうやってお湯から取り出せばいいの……?」


「ああ、こういう時はこのアミジャクシを使うんだ」


 レオナはそう言うと先が網状になっているオタマのようなものを取り出した。


「これですくうの……?」


「そうだ、それを使えばお湯を切りながらジャガイモだけを取り出せる」


 なるほど……!


 流石レオナ、普段料理をしているだけあって詳しいようだ。


 僕はレオナからアミジャクシを受け取ると、早速細切りにしたジャガイモをすくっていく。


「あ~、う~」


 すると、リィナが何か言い出した。


「どうしたの?リィナ、ジャガイモが欲しいの?」


「そうかも知れないな……。しかし、リィナにあげるにはまだ柔らかくしないとあげれない。ハルト、リィナの分のジャガイモだけもう少し茹でてくれ」


「分かった」


 僕は1本だけを残し全て鍋からすくい上げると、残した1本をさらに茹でる。


 そしてかなり柔らかくなった頃、アミジャクシを使って鍋からすくうと、リィナのベビースプーンで少し取り、口で冷ますとリィナの口へと運ぶ。


「ほら、リィナジャガイモだよ。食べてみる?」


「はむ……。あぁあ~!」


 リィナ口へと近付けるとリィナは口を開いてジャガイモを食べる。


 それが美味しかったのか、上機嫌に笑っていた。


「リィナ、おいしかった?」


「よかったな、リィナ。ほら、パパにありがとう、だ」


「ぱ~ぱ」


 リィナが差し出したきた手を優しく握るとリィナはまた上機嫌に笑っていた。


「よし、リィナ。パパは今から料理の続きをするそうだ、向こうに行っておくぞ」


 レオナはリィナを抱いてリビングへと移動すると、僕は再びシェイラの動画を再生させる。


『小さなお子さんにジャガイモを食べさせてあげれるような優しいそこのあなた、次はいよいよジャガイモをお肉に巻いていきしょう』


「っ!?」


 見られてる……っ!

 やっぱり僕見られてる……っ!?


 またも僕は周囲を見渡すと見えるのはレオナがMPでリィナの写真を撮っているくらい。


 まさか……写真を撮っていると見せかけてシェイラに逐一報告しているとか……?


 いや……そんなはずはない……。

 あれは明らかに写真を撮っている。


 カメラ機能のシャッター音聞こえるし……。


 と……兎に角ジャガイモを肉に巻いていこう……。


『さて、巻くお肉ですが、豚バラの薄切り肉がオススメです。牛肉でもいいのですが、ここは安価な豚肉を使っていきましょう。巻く時はお肉に軽~く小麦粉をふりかけて、ジャガイモをお肉に対しやや斜めになるように横向きに置きます。そして、クルクル~とお肉でジャガイモを巻いて、最後に巻き終わりにも少し小麦粉をふりかけます』


 え……ええと……、豚バラ肉を広げて……小麦粉を少しまぶして……?


 それから豚肉に対して少し斜めにジャガイモを乗せて巻く……?


 こ……こうかな……?


『ジャガイモをお肉で巻き終わったらいよいよ焼いていきましょう。油を引いたフライパンに、最後に巻いた面を下にして焼いていきます。こうすることで、ペロンとお肉が剥がれるのを防ぜます』


 な……なるほど、置き方にもちゃんと理由があるのか……。


 それにしても、シェイラの教え方って本当に上手いな……。


 僕は動画の説明の通りフライパンに油を引いてジャガイモを巻いた肉を置いていった。

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