第6話 カラス天狗
この話も、昼間の実体験です。
私の地元香川県には、金刀比羅宮(ことひらぐう)
通称「金毘羅(こんぴら)さん」が有ります。
金毘羅さんには、本宮と奥宮が有ります。
5年ほど昔の事です。
私は金毘羅さん本宮にお参りした後、奥宮に向かいました。
奥宮の参道には木々が茂り、新緑の葉が眩しく光っています。
私はデジカメで、途中の参道を撮影しながら、奥宮に向かいます。
途中の参道では、15枚くらい写真を撮影しました。
奥宮に着き、参拝します。
奥宮のご神体は、山の神様である赤天狗と、
修行中の若いカラス天狗の二柱です。
奥宮参拝が終わり、下山します。
家に帰り、デジカメをパソコンにつなぎ、
写真データーをコピーし、パソコンで写真をチェックします。
その写真の中に、1枚だけ真っ黒な写真が有りました。
拡大して見ると、真っ暗だけど、
薄っすらと参道の風景が透けて写っています。
しかも、真っ白な菱形の四角い光が2つ、
まるで眼光のように対峙して、並んでいるのです。
私はそれが不気味な心霊現象の様に思え、
カメラデーターもパソコンデーターも消去してしまいました。
ですが消去後に、思い出したのです。
金毘羅さんの奥宮のご神体は、赤天狗とカラス天狗だったことを。
もしかしたら、あの黒い写真は、
カラス天狗の目が写っていたのかもしれないと
今となっては思っています。
後になって写真データーを消去して、もったいない事をしたと思いました。
完
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