『下剤革命』



 このクラスには独裁者が居た。

 権藤タケシ。 

 180センチに100キロという小学5年生とは思えない体格。

 ヤツが暴れ出すと誰にも止められなかった。 


 しかし、権藤タケシは三日前の5限目の授業中にうんこを漏らし、クラス中から人間失格の烙印を押されて独裁者の座から引き摺り落された。 

 因みに、ヤツの給食に下剤を混入したのは私だ。


 権藤タケシの次に台頭したのは、佐々木ショージ。

 佐々木ショージも私の下剤の前では無力だった。

 しかし、佐々木ショージは無力だったが、「誰かの罠だ!」と主張して見苦しくもあった。なぜならヤツには好きな子がいたからだ。

 名前は、水元スミレ。

 水元スミレも私の下剤の前では無力だった。


 クラスの中で立て続けに3人もウンコを漏らす事件がおこると、今度はノロウィルスのクラスターが疑われた。今のところ私の下剤に疑いの目が向けられることは無かった。 


 しかし、私は手を緩めない。

 ノロウィルスの注意喚起をする担任も、私の下剤の前では無力だった。



 これが我がクラスで起きた、下剤革命。




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