第18話 ミリア視点
「マックス、気を付けてね」
「ああ、行ってくる。必ず戻ってくる。俺は無敵の妖狐だからな」
あたしはマリアを抱いて、マックスを見送りに村の門まで行った。マックス達は遠くへ行ってしまった。
「ミリアさん、私たちでこの村を守っていきましょう!」
元疾風の刃のジェシカが赤ん坊を抱きながら言った。
「ええ、そうね。ジェシカさん」
マックス達が出兵して三か月たった。まだマックスは帰ってこない。戦争って長いな。
「ミリアお姉ちゃん、ヨハンのおじちゃんがオークが攻めてくるって言ってるよ」
アンネが店番しながら言った。あたしはマリアをアンネに任せて、外の様子を見に行った。
「オークが攻めてくる!この村は滅びる!ああ!もうおしまいだ!」
ヨハンが絶叫している。まあいつものことだ。他の村人も冷ややかにヨハンを見ている。
「いつもの発作よ。アンネが気にすることは無いわ」
「えー?でも本当にオークが来たらどうするんだろう」
「そのときは私が戦うわ」
「ミリアお姉ちゃんって戦えるの?」
「戦えるわ。たぶん今のこの村で一番強いんじゃないかしら?」
「門番のマルコさんより?すごい!」
戦うときは人狼になるしかないだろう。そうなると村を追い出されてマックスと離ればなれになってしまう。できれば戦いたくない。
「オークが攻めてきたぞ!」
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