第15話 熊

 朝食は薬草茶とパンにブルーベリージャムを塗ったものだ。アンネはまだ来ていない。


「今日も狩りに行くの?」


 ミリアが聞いてくる。


「今日は休みだ。一緒にいられるぞ」

「やった!じゃあまた外でデートしましょう!」

「はいはい、採取な」


 俺たちが朝食を食べ終わったと同時にアンネが来た。


「ミリアお姉ちゃんたち、また出かけるの?」

「ええ、マックスとデートよ!」

「お昼には帰ってきてね」

「わかったわ」


 アンネは昼ご飯をうちで食べるようになっていた。自分の家で食べるより美味しいらしい。


「それじゃ行ってくる」

「行ってらっしゃい」


 アンネが手を振る。俺たちは村の外に出た。


「今日はいつもと違う道を行きましょう」

「新しい場所を見つけるのか?そうそう無いと思うけど」

「別にいいのよ。採取できなくても。一緒にいられれば……」

「そうだな」


 獣道みたいなところを歩いていたら。熊と出くわした。


「ガオッ!」

「あたしにやらせて!」

「おう」


 ミリアは人狼に変身した。誰もつけてきていないから、誰も見ていないはずだ。


「ガルルル!」


 ミリアは熊にパンチをした。熊は怯んでいる。


「グラァ!」


 ミリアは熊を掴んで首元に噛みついた。


「グワァオ!」


 熊は窒息して死んだ。ミリアの人狼の時の口はでかいな。ミリアが人間に戻る。


「やったわ!」

「ああ、よくやったな。クリーン」


 ミリアが返り血で血だらけなので生活魔法のクリーンをかけてあげた。熊はアイテムボックスにしまった。


「今日は帰ろうか」

「帰ったら午後も採取するわよ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る