眩暈がするほど匂い立つ美と畏れ

 絡みつく熱を孕む空気、空の色、蝉の声まで聞こえてくるような描写力で描かれたホラーは、何処までも悍ましく、美しい。
 夏のノスタルジーと冷やりとした恐ろしさが同居する、印象深い短編です。

 凌霄花の静かな焔に彩られた一幕を、是非。



 こちらの短編は『櫻岾奇談シリーズ』に登場する、ある人物が語ってくれてます。一つの世界として完結している本作ですが、シリーズを読んでいると更に楽しめる事と思います。

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火焔の華

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