「怪魔」、それは人間の精神に憑りつき害をもたらす怪異の呼び名。
主人公サダは、そんな怪魔と戦う“怪討人”。
この物語は、異能力を持つ怪討人と怪魔との対決を描く現代ファンタジー……ではありますが、味付けがちょっと違います。
本作がスポットを当てているのは、バトルではなく“友情”。けれど、強い絆で結ばれた熱き友情ではなく、もっと現実的で、本当のところは触れたくない、私たちにも身に覚えがあるかもしれない痛みを伴う“友情”です。
序盤、サダは「ユカイ魔」と名付けられたある怪魔の討伐任務についていましたが、取り逃がすという失敗を犯してしまいます。
サダの異能力は占い。その力でユカイ魔の居場所がとある高校だと突き止め、転校生として潜入します。
サダはクラスメートの奥寺なごみと知り合い、捜査していくうちに、彼女の仲良し六人グループの中の誰かにユカイ魔が憑りついていることを突き止めます。
タイプの違う六人の少女。中学生時代、同じダンスグループに所属し、高校が違っても折に触れては集まる仲のいい友だち。
そんな彼女たちのうちの誰かに憑りついたユカイ魔は、なんと憑りつかれた人間が密かに恨みを抱いている相手に呪いをかける厄介な怪魔でした。
六人の中に、誰かを恨んでいる人物が? 彼女たちはお互いの友情を信じて疑いません。
どうやってユカイ魔に憑りつかれた人物を探り当てるのか。その過程が、この作品の見どころのひとつです。
ユカイ魔は、憑りついた人間が悪感情を抱いている相手に呪いをかけるのですから、「呪いをかけられた者を恨んでいる人物」を特定しなければなりません。
つまり、固い絆で結ばれていると信じている六人の少女の、影の部分を晒すことになります。
怪異と戦う異能もの作品は数多くありますが、本作は人と人との心の繋がり、「己の真実」と「他人の真実」を、丁寧に見せてくれます。でもそれは“都合のいい真実”とは限らず、とても生々しいものです。
自分にとって都合のいい面ばかり見ていないか。
頭では“違う”と思っていても、心のどこかで他人を下に見てはいないか。
そんなふうに問いかけられている気がします。
作品のキャッチコピーは、
「友達だと思っていたあの子は、友達ではありませんでした」
不都合な真実の果てに、サダと少女たちは何を得るのでしょうか。