第9話 小鳥との別れ
「金龍勇者の日常」
第9話 「小鳥との別れ」
マイラ(4歳): 王女を殺したら君達は死刑になるんじゃないのか?
スカーミ(5歳): たんぽぽ…。(顔を赤らめる)
一般人男性1: お…お前!スカーミちゃんから離れろ!
マイラ(4歳): この子を殺そうとするなら絶対に守るんだ。
一般人男性2: はぁ?お前みたいなチビが俺達に勝てるとでも思ってるのか?
マイラ(4歳): もちろんさ。
一般人男性1: それに…、なんで剣なんか持ってるんだ…?
マイラ(4歳): (一般人男性達に剣を向けながら)何かあった時のために持ってきたんだ!
一般人男性2: お前俺達のこと殺す気か!?
マイラ(4歳): この王女を殺さないなら僕も君達を殺さない。でも、王女を殺すなら僕も君達を殺すんだ。
一般人男性1: ふーん、じゃあ試しに戦ってみよぅじゃないか。(刃物を取り出す)
マイラ(4歳): 小鳥、ここで待っててね。
マイラ(4歳): 望むところさ。(剣を地面に刺す)
一般人男性2: (刃物を取り出して)お前、武器いらないのか?
マイラ(4歳): うん!別に君達は魔物じゃないから武器は使わないよ。(戦う構えをする)
一般人男性1: ふん、俺達のこと舐めてたら後悔するぞ!(マイラのほうへ走ってきて刃物で攻撃しようとする)
マイラ(4歳): (攻撃を余裕に避けて刃物を持っているほうの手を蹴る)
一般人男性1: うわっ!?(手を蹴られて刃物を手放してしまう)
(刃物が空中に舞う)
マイラ(4歳): 逆に僕のことを舐めると後悔するんじゃない?(1歩下がる)
一般人男性1: (空中に舞った刃物が目の前に落ちてくる)ひぃ!?
一般人男性2: お…おのれ〜!!(マイラのほうへ走って刃物で攻撃しようとする)
マイラ(4歳): (余裕で攻撃を避けて一般人男性2の腕を掴んで地面へ放り投げる)
一般人男性2: うわ〜!?(放り投げられて地面に強く落ちる)
(一般人男性1と一般人男性2が同じところに転がる)
マイラ(4歳): よーし!まだやる〜?(一般人男性達に近付く)
一般人男性達: うぉーー!!(刃物を持ってまたマイラに攻撃しようとする)
マイラ(4歳): (2人の刃物を指で挟んで攻撃を止める)
一般人男性1: (刃物をマイラの手から離そうとするがなかなか離せない)は…離せない…。
一般人男性2: (刃物をマイラの手から離そうとするがなかなか離せない)バ…バカな…。お前のようなガキがこんなに強い訳…。
マイラ(4歳): えい!(2人の腕を掴んで木の周りに放り投げる)
一般人男性達: うわっ!?(マイラに放り投げられて木に激突する)
マイラ(4歳): よーし!今度はとどめ刺しちゃおっかな〜!(一般人男性達にゆっくり近付く)
一般人男性達: す…すいませんでした〜!!(慌てて遠くに逃げる)
マイラ(4歳): (スカーミに近付く)大丈夫?怪我なかった?
スカーミ(5歳): 大丈夫よ!暴力団の隊長達を倒してくれてありがとう!
マイラ(4歳): ん?暴力団の隊長達?どういうこと?
スカーミ(5歳): 今たんぽぽが倒した3人は暴力団の隊長達なのよ!しかもその暴力団は10万人以上の人達を苦しめた強敵達が集まっていて、その中の隊長達の3人を貴方が倒したのよ!
マイラ(4歳): え〜!?あの3人ってただの一般人じゃなかったの?
スカーミ(5歳): あの3人が怯えているところ、初めて見たわ!それはたんぽぽが強い証拠よ!
マイラ(4歳): べ…別に僕は強くないよ…。(地面に刺している剣を取ってなおす)
スカーミ(5歳): 強さって自分には分からないけど他の人が見たら分かりやすいのよ!
マイラ(4歳): そ…そうかな?
スカーミ(5歳): うん!それじゃあ、そろそろ帰りましょうか!(マイラに近付く)
マイラ(4歳): うん!
スカーミ(5歳): (マイラと手を繋ぎながら歩き出す)
マイラ(4歳): あっ、もし疲れてたら僕が背負ってあげますけど…、大丈夫?
スカーミ(5歳): じゃあ、遠慮なくお願いします…。
(マイラはスカーミを背負って歩き出す)
スカーミ(5歳): (マイラに背負われながら)ゆっくり歩いてもいいよ。あまり無理しないようにね。
マイラ(4歳): (スカーミを背負いながら)大丈夫ですよ!このくらい慣れてるので!
スカーミ(5歳): そうなんだね。じゃあちょっと質問するけど…、どうしてそんなに強いの?
マイラ(4歳): 僕は大きくなったら人々を救う勇者になりたいんだ。
スカーミ(5歳): 勇者か…。素敵ね!
マイラ(4歳): うん、だから今は修行中だよ。
スカーミ(5歳): なるほどね〜。たんぽぽはきっと世界で一番強い勇者になれるよ!
マイラ(4歳): うん!僕もそれを目標にして頑張るよ!
スカーミ(5歳): 今はたぶんいないけど、これから世界征服をしようとする魔王が現れたら倒してくれる?
マイラ(4歳): もちろん倒すよ!絶対にね!
スカーミ(5歳): たんぽぽが人を救える立派な勇者になれることを願うよ。
マイラ(4歳): ありがとう。僕は小鳥が幸せに長く生きられることを願うよ。
スカーミ(5歳): (笑顔で)ありがとう!たんぽぽ!
マイラ(4歳): こちらこそありがとう!立派な勇者になれるように頑張ります!
スカーミ(5歳): とても良い努力よ!
マイラ(4歳): (笑顔で)ありがとう!小鳥!
(マイラ達は話しながら城に帰っていく…。)
(帰っている途中で…)
スカーミ(5歳): ねぇねぇ、ちょっと関係ない話になるんだけどさ…、たんぽぽってどの髪型がタイプ?
マイラ(4歳): え…えっと…、そうだな…。僕は「ショートヘアー」かな…。
スカーミ(5歳): へぇ…、なるほどね…。(自分の長い髪を触る)
マイラ(4歳): でも、なんでそのこと聞く必要があるの?
スカーミ(5歳): (顔を赤らめて)あ…、えっと…それは…ちょ…ちょっと気になっただけよ!
マイラ(4歳): ふーん、まぁいっか!
(マイラ達はまた話しながら城へ帰っていく)
(僕はまだ…、これが何のイベントなのか分かっていない…。小鳥の反応が最初に比べてだいぶ変わった気がする…。まるで友達のような…。じゃあ、このイベントって友達作りのイベント?ん〜、でもそんなイベント城で開くことあるかな…?小鳥が王女だからかな?)
(数分後…、小鳥は僕に背負われながら眠りにつきました)
マイラ(4歳): (スカーミを背負いながら)眠くなったのかな?いい夢が見られますように。
スカーミ(5歳): (マイラに背負われながら笑顔で寝ている)……。
(数分後、ラハリ王国の城に着いた)
マイラ(4歳): 小鳥、この城で合ってるかな?
スカーミ(5歳): (目を覚ます)ええ、ここよ。(マイラから降りて城の門を開ける)
(僕は小鳥と城に恐る恐ると入った。なぜなら、本当は8:00に戻ってこないといけないのに、10:00に戻ってきてしまったから…。)
騎士1: (スカーミ達が城の中に入るのを見て)あっ!帰ってきましたよ!王様!(急いで王様の部屋へ向かう)
スカーミ(5歳): 怒られなければいいけど…。(城の真ん中に立つ)
マイラ(4歳): うん…。(スカーミの横に立つ)
王様: (マイラ達のところに来て)けっこう遅く帰ってきたね。
スカーミ(5歳): ご…ごめんなさいお父様…。ちょっとのんびりしすぎたみたい…。
王様: いいんだ、いいんだ!たまに誰でも失敗することはあるんだ!楽しめたならそれで良い!
スカーミ(5歳): お父様…、ありがとうございます!(王様に頭を下げる)
マイラ(4歳): (心の中: 良かった…。優しい王様だった…。)
王様: で…、そちらのお方とはどんな感じで?(マイラのほうを見る)
マイラ(4歳): ん?(見られて戸惑う)
スカーミ(5歳): (緊張しながら)えっと…、けっこういい感じだったよ…。
王様: ほう、それは良かった!
スカーミ(5歳): あの…、私…この方で良いですか?
マイラ(4歳): (心の中: えっ…?何を…?)
王様: 残念だが、このお方はダメだ。
スカーミ(5歳): ど…どうしてですか!?この人はイベントに参加したのに!?
王様: だってこの方は「体験コース」ですよ?
マイラ(4歳): (心の中: 体験コース…?何それ?)
スカーミ(5歳): (がっかりする)そ…そんな!たんぽぽは「ガチ恋コース」かと思ったのに…。
マイラ(4歳): (心の中: な…何それ…?)
王様: とりあえず、この方とはお別れの時間ですよ。
スカーミ(5歳): ちょ…ちょっと!コース変更とかはできないの?
王様: それは本人が決めた事ですから変更することはできません。
マイラ(4歳): (心の中: いったいこの人達は何言ってるんだ…?)
スカーミ(5歳): でも…、たんぽぽはお姉さんに勝手に決められたそうよ!
王様: しかし、これはただ体験させたかっただけなのでは…?
スカーミ(5歳): 1回くらい変更したって良いじゃない…。
女騎士: (マイラを城の外へ案内する)お客様、今回のコースはどうしでしたか?
マイラ(4歳): うん、まぁ楽しかったけど…、今何が起きてるか教えて…?(スカーミと王様のほうを見る)
スカーミ(5歳): 別に結婚する相手は本人で決めるものでしょ!
王様: それはそうだけど、あの人の場合、本人の許可がないと…。
スカーミ(5歳): たんぽぽ!(マイラに近付く)
マイラ(4歳): な…何…?(近付かれてびっくりする)
スカーミ(5歳): 私と結婚してもいい?
マイラ(4歳): け…結婚?結婚って何?
スカーミ(5歳): え…えっと…、結婚というものはね、男女2人が結ばれて家族になるお祝いのことよ!(顔を赤らめながら答える)
マイラ(4歳): えっ…?(固まって動かなくなる)
スカーミ(5歳): あ…あれ…?たんぽぽ大丈夫?(マイラの頭をツンツンする)
(え…?このイベント…、ただの楽しいイベントじゃないじゃん…。これからの未来にかかってくる大事なイベントっぽい…。誰と結婚…するか企画する…イベントだったんだ…。こんなの…聞いてないんだけど…。まだこの年齢でそれは早すぎると思うな…。)
マイラ(4歳): ……。(固まっていて全く動かない)
スカーミ(5歳): あれ?なんで動かないの?
女騎士: 嬉しいのか…、ショック受けているのかが分かりませんね…。
王様: 思った事をすぐに喋らないのも少し優しいな…。
スカーミ(5歳): たんぽぽ…?
マイラ(4歳): あの…、ハウナお姉ちゃんはどこに居るの?
女騎士: ハウナさんなら外にいますよ。
マイラ(4歳): そうか。ありがとうございます。(城の門を開けて城から出る)
(城から出るとハウナがベンチに座って待っていた)
ハウナ(6歳): あっ!マイラ!どう?楽しかった?
マイラ(4歳): ハウナお姉ちゃん…。(ハウナに近付こうとする)
スカーミ(5歳): 待って!たんぽぽ!(城の外に出る)
女騎士: あっ!王女様、勝手に城から出ては行けませんよ!(スカーミの体を掴んで城の中へ戻そうとする)
スカーミ(5歳): やだやだ!離してよ!(暴れる)
女騎士達: 王女様、とりあえず落ち着いて!(スカーミを押さえる)
スカーミ(5歳): たんぽぽに言いたい事があるからよ!!(女騎士達を吹き飛ばす)
女騎士達: キャア!?(スカーミに吹き飛ばされて壁に当たる)
ハウナ&マイラ: 強い…。
スカーミ(5歳): (マイラのほうへ走って近付く)
マイラ(4歳): そんなに僕に言いたいことがあるの?
スカーミ(5歳): ええそうよ!
ハウナ(6歳): まぁ!ロマンチックね!何を言いたいのかな?
スカーミ(5歳): たんぽぽ!1年後、5年後、10年後、でも良い…。10年経つまでには絶対に会いましょう!それと…。
ハウナ(6歳): あら、マイラお気に入りにされてるじゃない!
マイラ(4歳): ま…まだ話してる途中だよ!
ハウナ(6歳): はいはーい!
スカーミ(5歳): それと…、もしかしたら覚えられないかもしれないけど…、会ったら結婚しましょうよ。(顔を赤らめる)
マイラ(4歳): えっ!?(顔を赤らめる)
ハウナ(6歳): あら、初対面でもう婚約しちゃったね。
スカーミ(5歳): ダメかな…?
マイラ(4歳): も…もちろんいいよ。
ハウナ(6歳): ドキッ!(顔を赤らめる)
スカーミ(5歳): あ…ありがとう!約束よ!それじゃあまたいつか会いましょうね!(手を振りながら城の中に入っていく)
マイラ(4歳): うん!またいつか!(手を振りながらスカーミが城の中に入っていくのを見送る)
(スカーミが城の中に入って城の門が閉まる)
マイラ(4歳): ……。(ハウナのほうを見る)
ハウナ(6歳): ねぇねぇ、今回は「体験コース」だったけどどうだった?
マイラ(4歳): ねぇ…、心構えがない状態であれをやっちゃったんだけど…。
ハウナ(6歳): あ…あれって…。あ〜!あのことね!
マイラ(4歳): (心の中: バレてなければ良いけど…。)ってなんで「結婚」なの!?どういうイベントなの!?
ハウナ(6歳): まぁこのイベントを簡単に言うと、虹色鳥族の王族は娘が5歳になると結婚する人を決めるために男性のみが参加できるイベントよ。
マイラ(4歳): それと、コースがあったけどあれはなんなの?
ハウナ(6歳): コースは2つあって、1つ目は「体験コース」!体験コースはただ試しに王女と話したりしてただ楽しむだけで、婚約の約束はしていけないのが決まり。それがマイラのコースよ!そして2つ目のコースは「ガチ恋コース」!ガチ恋コースは、たくさん話したりしてコミュニケーションを高めて婚約の約束をしてもいいルールよ!
マイラ(4歳): えっ…?じゃあなんであの子は婚約を…。
ハウナ(6歳): きっとマイラが好きになったからよ!キャー!素敵!!
マイラ(4歳): べ…別にこんな僕を好きになる人は居ないと思うよ。あはは…。(苦笑い)
次回 第10話 「コウモリの泥棒」
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