週間旭東 特集記事『リョウデラカズトシは何者か?』
リョウデラカズトシという議員をご存知だろうか。7月10日にYoutubeで配信された動画に選挙演説が入り込んだ人物だ。
当初はごく一部の視聴者しか気にしなかったが、他の動画やニュース映像、更には一般の電話にも選挙演説が入り込んだことで、瞬く間に話題となった。
これだけ話題になっている立候補者だが、奇妙なことに演説を直接聞いた、または目にしたという情報は今のところ確認できていない。街宣車が走らない離島や、そもそも日本国外である中国やミャンマーでも聞こえたという情報もある。
今月20日には参議院選挙があり、それに便乗したいたずらだという意見もある。しかし我々編集部は、これもれっきとした選挙戦略のひとつだと考えている。
そこで各政党のリョウデラカズトシに対する言及をピックアップした。以下に詳細を記す。
民栄党 木守繁 選挙対策委員長
「リョウデラカズトシという候補者について、我が党は認知しておりません。
16日に複数の方から質問を受け、党内で調査を行いましたが、比例名簿にも党員名簿にもそのような名前は載っておりませんでした。
また、各候補者にリョウデラカズトシという名前と演説に聞き覚えが無いか確認いたしましたが、全員聞いたことがないという答えをいただきました」(12日、記者会見にて)
繁栄進歩党 坂東昭雄 書記
「ご質問いただいたリョウデラカズトシという人物についてですが、我が党には一切関わりがありません。
我が党の候補ではありませんし、公認や応援なども行ったことがないと確認いたしました」(13日、記者会見にて)
前進進歩党 大河原きぬえ 選挙対策委員長
「我が党にリョウデラカズトシという人間は所属しておりません。また、リョウデラカズトシという人間を党として支援したこともございません。
14日にN県で私が行った演説の近くでリョウデラカズトシを名乗る人物が演説をしていたというお話がありますが、当日そのような演説は近くで行われていなかったと記憶しております。
警察にも相談し、現在確認と対応を急いでおります」(14日、弊社編集部による電話インタビューにて)
日本力の会 武上武雄 会長
「ご質問いただきましたリョウデラカズトシさんですが、我が日本力の会にそのような方は所属しておりません。
また、リョウデラカズトシさんの演説を直接見たという方はひとりもおりません。我が日本力の会の反対勢力が選挙の妨害を狙ってAIを使って音声を合成しているのではないでしょうか」(15日、記者会見にて)
須治党 元島宝印 元代表(14日、弊社編集部による電話インタビューにて)
「リョウデラカズトシという候補者は我が党とは一切関係ありません。それ以外のコメントは差し控えさせていただきます」
CS党 林太郎 代表
「リョウデラカズトシという候補者は我が党とは関係ありません。いたずらではないでしょうか。
国政を決める選挙でこのようないたずらが起こるとは嘆かわしい限りです。政府がいい加減だから、国民もいい加減になってこんな事が起こる。誰も真面目にやらなかったらこの国は戦争を起こしてしまいます。
戦争反対! リョウデラカズトシ反対!」(16日、街頭演説にて)
政改党
「まず、リョウデラカズトシという人物は我が党には所属していません。
そして、13日から本日にかけて、我々の選挙演説にリョウデラカズトシの音声が入っているというお問い合わせについてですが、こちらも候補者と事実確認を行いまして、当時、他党の演説は行われていなかったという結論になりました。
したがって、リョウデラカズトシの音声は撮影後に合成されたものと考えられます。
これは我々の選挙活動に対する妨害行為です。大手メディアも含めた各撮影者に謝罪と賠償を要求する手続きを現在進めています」(16日、記者会見にて)
中央選挙管理会 滝川悟 委員
「16日現在、比例選、選挙区選ともに、リョウデラカズトシという候補者は確認できておりません」(16日、記者会見にて)
以上のことから、どの政党からもリョウデラカズトシという候補者は出ていないことがわかった。また、無所属候補にもリョウデラカズトシという人物は存在しない。
では、これは手の込んだ悪戯なのだろうか。筆者はそうは思わない。悪戯にしては大規模過ぎる。
私見ではあるが、これは選挙そのものに対する話題作りなのではないだろうか。
近年、若者を中心とした選挙離れが進んでいる。そのため選挙に行くのは高齢者が多く、高齢者に好まれる政党、すなわち保守的な与党が有利な情勢となっている。
選挙に行かない若者が選挙に行くようになれば、革新的な野党の票数が上昇するだろう。
そこでネット上での話題作り、いわゆる『バズらせる』ためにリョウデラカズトシという架空の候補を作り上げたのではないだろうか。そうして選挙に注目を集めれば、若者も投票に行くに違いない。
現に、リョウデラカズトシの政策は、不明瞭な点が多いものの、子どもに対して複数回言及しており、若年層へ向けた演説を行っているのは明らかである。
ここまでしないと選挙に行かない若者というのは嘆かわしいが、それでも一票は一票。皆様も、お子様にリョウデラカズトシの話題を振って、選挙に行くよう促してみてはどうだろうか。
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