プロローグ2 ワシ転生する

「…え………ね」


わしは死んだはずでは…………。


「ねえ!起きて!まだ僕やることがあるから!」


誰かがわしを呼んでおるのか?


「ん……よく寝たのぉ」


「あ!やっと起きてくれた!心配したんですからね!」


少年は笑顔で花川を迎える。


「む?お主ここはどこじゃ?わしは戦場にいたはずなんじゃが……」


「えぇ…花川さんは残念ながら貴方は出血多量によりなくなられています」


……まぁそうかあの傷でわしが生きられるはずないしの。いや…そうじゃ!そんなことよりはわしは絶対に聞いておかねばならんことがあるんじゃったわい!


「そういえば童よ、わしが逃がした新兵共はどうなったんじゃ?」


「あ~えっと、、、ちょっと待ってくださいね今すぐ確認しますので」


「……!花川さん貴方が逃がした新兵の皆さんちゃんと日本に帰還できていましたよ!なんなら幸せな家庭まで築いていますよ!」


「おぉ!そうかそうかやっと肩の荷が下りたわい!」


「そ、そこまでお喜びになられるならやったかいがありますけど…それよりもう本題に入ってもいいでしょうか?」


「う~むそれは内容にもよるが……とりあえず話してみい」


「そ、それではまず花川さんは別の世界というものを信じますか?」


別の世界……わしで言うとこの戦争が起きなかった世界みないなもんかの。


「まぁあったらいいなくらいの認識じゃな」


「じゃあ別の世界に行ってみたいですか?」


「まあ、わしとしては赤紙と病気以外なら何でももらう姿勢ゆえこちら側としては大歓迎じゃが……童も無償で第二の生をくれてやるわけにもいかんのじゃろ?」


「まあ…………はい…」


童は数秒前とは打って変わって重々しい雰囲気を漂わせながら話をはじめる。


「えぇ…確かにあなたの言う通りタダでは転生なんてさせられませんし僕の世界は今は解決すべき課題がおおすぎますしね」


「やはり……」


「ですが!貴方は違うんですよ花川さん貴方はいつか来るであろう僕らのしわ寄せに対抗できそうなんです!」


そう熱弁する童の前に突如としてわしの背丈はゆう超える鏡が現れおった。その鏡に映るのはわしの姿ではなくわしの道理を外れた異形達とその異形がまるでつぎはいだような生物とは言えない何かが映し出されておった。


「童よ、なんじゃこいつらはこれを作ったのはお主か?」


「いいえ僕ではなく僕の世界の長男と長女の神ですね、貴方が分るように言うなら日本神話のイザナミさんとイザナミさん的な立ち位置の方々です」


「ふむ分かった、だがして童よお主はこれを見せてどうするつもりなんじゃ?」


わしはふとした疑問を童に問う。


「まず、今見てもらったのはいわゆる世界を作るうえで生み出された生命創造の部門での失敗作です。この失敗作が現世にどういう訳か解き放たれてしまったので私が与える力を使って第一目標は失敗作の隔離第二目標はできればでいいので私の信仰を集めて我が愚兄や愚妹の上に立ち世界の結界の保護といったところです再度聞きますがやってくれますでしょうか?」


「あぁその話うけるぞ、わしはもう童に新兵共の安否確認をしとるわしの願いだけ聞いてもらってさようならじゃ悪いからの」


わしの言葉を聞くと童の顔はたちまち明るくなった。


「では転生する場所は花川さんに馴染みの深い神社にしておきます。転生したらまず私が与えた力を確認するために『ステータス』と唱えてみてくだい」


「承知した」


「ではいきます≪転生神アムイトの名においてこの男花川信介を我が世界に導く≫」


そう童が言い終わるとわしの体の周りに光が集まりってくる。


「では、頑張ってきてくださいね~!」


童の言葉とともにわしはの意識は再度闇に沈んだ。


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