「悪い知らせはすぐに把握したい人だ」
※朝から、絶望感。
拙作を続けて読んでくださっている方は、既にご存じかと思うのだが、私はちょいちょい普通の皆様が気づきにくい「モノ」を見たり聞いたり勘付いたりする率が高い人間である。そういう人間は、科学的根拠はないと分かりながらも、よく「電磁波を出している」と評されることが多い。
電磁波? 静電気のことだろう? つまり乾燥肌ってことだろう?
私もそう思うのだが、これでも肌は弱い方なので乾燥には年中通して気を付けている。それなのに、触れあうと「痛っ!」と言われたり、エレベーターのボタンを押すとスパークしたり、 パソコンに触れると「ぶぉん」と電源が切れたりして
「……パソコンには触れないでおこうね?」
と優しい笑顔でバイトリーダーからダメ出しを喰らったこともある。
特に、嘘みたいな話なのだが、己の感情が高まっている時にそういった現象が多いようなのである。つまり、家電が絶妙なタイミングで壊れるのだ。
ついでにこの体質は、同じように「みえる」実母もそうで、精神的にとても疲弊することがあった日や、ここで踏ん張らねばならぬという日に、掃除機が壊れたり、洗濯機が壊れたりする。しかもそれほど購入して月日は経っていないのに、だ。これまで実家で、購入して一年以内に修理に出されなかった洗濯機は、ない。家電の当たりはずれはあると思うのだが、ここまではずれが多いと、もう奇跡である。
そんな私にも、そうした経験多数で、よくデジカメ、パソコン、スマホは停まる。待ってくれ、買ったばかりだぞ?! と思うが、固まる。データーも沢山あるのに!? が、停止する。そういった時は大抵「それじゃ写真撮りますよ!」と代表して撮影ボタンを押す時が多く、
「綺麗な写真を撮らねば」
という圧力が、私の電磁波を最大に高めるのではないかと思っている。
人様のスマホまで固まった時は、正直生きた心地がしなかった。
そんな我が家の最大の家電故障と言えば冷蔵庫だろう。
あれは忘れもしない、コロナ感染拡大初期。
緊急事態宣言なるものがはじめて出され、ウェイポイント(飛行機の通る道)付近にある我が家の上空を、全く飛行機が通らなくなり、世界から音が無くなったようなそんな日々の始まりの時だった。
その時の推し(家族)は、丁度新たな門出を迎えるところだったのだが、緊急事態宣言の為それもなくなり、相方は生活上必要な職業とされたので、日々出勤。買い物に行くにしても推し(家族)を残すことも出来ず、こうなったら一度に買いだめして冷凍庫と冷蔵庫をパンパンにして、立ち向かえ私! と意気込んだ緊急事態宣言初日のことだった。
次の日起きたら、冷蔵庫から水が漏れていた。
冷凍庫が、完全に停止していた。
いま、この時期、このタイミング?!
修理も間に合わない。冷蔵室も死にかけている。
おかしいぞ、昨夜までは何も不調は無かったのに!?
その時学んだのだ。
私は、不用意に意気込んではいけない。
意気込むと、大抵、家電が壊れる。
今回は、意気込み過ぎた。
私がやらねば誰がやる、が大きすぎた。
結果、ソーシャルディスタンスを守りながら、家電量販店まで買いに行き、翌々日に新しい冷蔵庫がやって来た。大出費である。
そんなことを思い出した、今朝。
昨夜、秋めいてきた夜風を受け、中秋の名月を見ながら
「残り今年も三か月。この間に、これをして(イベント)、これをして(仕事)、これを書き上げて(小説)、鍛える(己の体)。来年からは、更に増えるからな……頑張れ自分!」
と、意気込んだ。
今朝起きたら、冷蔵室内の照明が、ダンスホールかよと思うくらいに点滅し、消えた。
冷蔵庫の中ってさ。明かりが無いと、奥まで見えないよね?
ついでに消耗品なので、庫内証明は補償対象外ですって。
交換費用は……え? そんなに?
私に、意気込むことは許されないらしい。
ユルユルユルユルと生きていこうと心にきめた十月。
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