第3話 ケンのいへん5

 ポチはまどから

そとると

『かわいいいぬのおみせ』へ、

一目散いちもくさんにかけてきました。


「やめてくれ! 

もうぼくにかまわ

ないでおいてくれ。

ただ、もうそっと

しておいてほしい

だけなのだ」


 ポチのうしろすがたに、

ケンはちいさなさけび

ごえげました。


しかしポチは、

もうそこには

いませんでした。


実際じっさい、ここ数日すうじつ

いせずに

じっとしていた

ケンのこえ大変たいへん

弱々よわよわしくて、

ポチがそこにいた

としてもれなかった

かもしれません。


ポチがもうそこには

いないとづくと、

ケンはまくらにたおれ

こんでしまいました。


 もりはしりぬけながら、

ポチはおもいました。


(それにしても

なんてあつさなんだ。

そとはこんなにいい天気てんきで、

なにもかもがかがやいて

いるとうのに。

ぼくの大切たいせつ友達ともだち

一人ひとりであるケンちゃんは、

あんなにもくるしんでいる。


ぼくのかけがえのない

仲間なかまくるしんでいるのに、

世界せかいはどうして

こんなにもきらきらと、

おだやかにまわって

くのだろうか)



読んでいただき、ありがとうございます。

次回の掲載は2025年11月14日です。

〇注意:作者がコメント欄を読むこと、

またいかなる場合もコメントへ

返信することはございません。

読者の方のコミュニティーとして

節度ある使用へのご理解に感謝いたします。

〇注意:この作品は 『小説家になろう』、

『カクヨム』、『Novel days』に

同時掲載しております。

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