第1話 たんじょう日の準備16

「ダイちゃん」


 ふいをつかれた

オーティスは、

小声こごえうと、

からだこしました。


ダイはおじいさんで、

としかさねただけの

そうめいさをった

いぬでした。


しかしいつでも

はつらつとして、

少年しょうせんのようなこころち、

ゆうかんだったため、

みなはおじいさんと

うよりはあにのように

かれをしたっていました。


ですからかれ

したしみをこめて、

みんなから

「ダイちゃん」と、

少年しょうねんのようなよびかた

よばれていました。


「オーティス、

もしかしてきみには、

なにかんがごとでも

あるんじゃないのかい」


 ダイが、オーティスの

となりにこしを

ろしながら、

きゅうにこうしました。


「えっ、

どうしてそうおもうの?」


 オーティスはおどろき、

すこあかくなってかえしました。


わたしはね、

かんがごとをするときはいつでも、

あるきたくなるものなのだ。

さっささっさとあるくと、

あたま回転かいてんはやくなって、

なやみなんてふき

ようながするものさ。

だからいまもこうして、

散歩さんぽたのだよ。

そしたらどうだろう。

おなじようにみせた、

きみつけたわけだ」


 ダイはオーティスをて、

にっこりわらいました。


「ダイちゃんにも、

なやみごとがあるの?」



読んでいただき、ありがとうございます。

次回の掲載は2025年9月17日です。

〇注意:作者がコメント欄を読むこと、

またいかなる場合もコメントへ

返信することはございません。

読者の方のコミュニティーとして

節度ある使用へのご理解に感謝いたします。

〇注意:この作品は 『小説家になろう』、

『カクヨム』、『Novel days』に

同時掲載しております。

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