第35章「ガールズ・アンセム」

📍町田・ライブハウス “Blue Echo” 本戦ステージ

観客:約250人/空気:震えるほど静か→爆発寸前の熱気


バックヤードの鏡前。

ことねはマイクを握ったまま、顔を上げた。

彩葉はウィンクしながらグータッチを差し出す。

芽依は無言で頷き、ヘッドホンを耳にかけた。


「三人で、鳴らそう」

ことねの声に、二人が同時に頷いた。


🎶新曲:「Girls Anthem 21:59」


ジャンル:ジャパニーズ・ミクスチャーラップ × J-Pop × ロック


テーマ:「夜11時直前、家に帰る前に鳴らす“私たちだけのアンセム”」


特徴:ことね・彩葉ツインMC+芽依のトラックで完全融合


🎧 Verse1:ことね


『放課後、制服のままで

世界を相手に ビビってた

でもこの声は 止まらない

誰かの目じゃなく 私の目で選んだ音』


🎧 Hook:彩葉


『だから叫ぶの、夜が来る前に

“私たちがここにいる”って

他の誰かじゃない

今この3人で歌う、それが全て!』


🎧 Verse2:彩葉 → ことねバトン


『陽のあたる場所ばかりじゃ

声は育たない

でもね、陰があるからこそ

響くリリックってあるんだよ』

『ひとりじゃ走れない夜も

今は3人でステージ立ってる

世界よ、見てろよ

女子高生の音舐めんな!』


🎧 Outro:芽依のビートに乗せて彩葉が叫ぶ


『Silent Riot!――鳴らし続ける限り、私たちはここにいる!!』


ステージが終わったとき、

静まり返った観客席に、最初の拍手が起こった。


それはやがて──歓声へと変わる。


「やべぇ……女子高生なのに、ガチだ」

「……違う。女子高生“だから”届いたんだろ、今の音」

「まじ刺さった……サイレントじゃねぇ、これはライオットだわ」


📍観客席後方

猫丸:「よし、届いたな。やっと、“あの音”になった」

みのた:「ちょっと泣きそうになったよー。女子高生って、いいねぇ」

愛犬べす:「ワン!!(ドタバタ走り回って係員に止められる)」


📍ライブ後の楽屋


ことねが、水を飲みながら言った。


「……今の音、ちゃんと“私たちの声”だった気がする」


彩葉がにかっと笑う。


「違うよ。“これからの私たちの声”だよ。まだ始まったばかり」


芽依がノートPCに何かを打ち込みながら、ぽつり。


「……次の曲、作りたくなってきた」


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