第9章「響け、16の鼓動 ― ライバル襲来とサイゼの予言」

ことね・いろは・芽依の3人は、ライブ翌日の祝勝会でいつものサイゼへ。

チキンとほうれん草のグラタン、ミラノ風ドリア、ドリンクバー。

テンション爆上げ――だが、そこに現れたのは…!


「おーおー、やったらしいじゃねぇか。昨日のライブ、観てたぞ」


赤いジャケットに、やたらレトロなサングラス。

根津猫丸、登場。


「また来たよ、この謎のおじさん……」


「まぁあれだ、今日か明日か…“雷雨”みたいなやつらが来るぜ。お前らにとってのライバルな」


「雷雨…?」

芽依が首を傾げた。


「そう、名前は《Raindrop Rave(レインドロップ・レイヴ)》――町田南高の3人組だ」


ことねの手が止まる。


「やつら、Silent Riotと同じく女子ユニット。だけど向こうはEDM寄り。

 表拍×デジタルサウンドで攻めてくる、“表の華”、ってとこだな」


⚡その夜・SNSに届いたDM

From:RaindropRave_official

「あなたたち、昨日のステージ…観たわ。私たち、今週末の“SoundGirls Jam”に出るから、会場で待ってる」


「うわー……来たね、完全にライバル」


🎤ことねの練習モード突入(初の歌詞付き)

翌日――学校の屋上で、一人練習するKOTONE(ことね)


(Beat:90BPM lo-fi scratch)



『私は私のままでいる

 言葉は鎧 けれど剥がれ落ちる

 震える声もいつかは武器

 “弱さ”ごと全部ラップにする


 16barsに託す本音

 誰にも届かなくても

 ひとつ、ふたつ、言葉重ねて

 やっと――私になる』

「……これが、私のラップ。次は負けない」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る