第4話 改善とその後
その日からキャロラインは、リーヤとシーヤのやりたい事をできるだけ尊重するようになった。
どうすれば我慢してくれるのか、言うことを聞いてくれるのか、ではなく。
どうすれば子供のやりたい事ができるようになるのか、を考えた。
大人の価値観に合わせるより、子供に合わせる事によって、リーヤとシーヤはキャロラインに心を開いていったのだった。
たまに子供達の接し方で悩む時は、ソーリスがアドバイスをした。
ただ結婚しただけの相手であるマクウェルより、ソーリスに助けられる事が多くなった。
父親であるはずのマクウェルは子育てにはからっきしで、かつ女遊びばかりしていたからだ。
キャロラインは人生のパートナーとしてソーリスを選びたいと考えるようになった。
ソーリスもまた、子供達に真摯に向き合うキャロラインに惹かれつつあった。
そんなキャロライン達を見た子供達は、一計を講じる。
二人は子供らしく生きられるようになったが、キャロラインに似て少しだけ現実主義になり、ソーリスのように知恵をつけながら育ちつつあった。
そのため、飲んだくれていたマクウェルの一日のスケジュールを把握し、彼が罪を犯した証拠を入手した。
酔っぱらっていたマクウェルが、馬車で人をひいた場面を目撃し、被害者に話をつけた彼らは、マクウェルを牢屋に入れる事に成功したのだった。
その事実を知ったキャロラインとソーリスは目を剥いてさすがに驚いた。
しかし、自分達の真似をしたと言われたので親ばかになって、それなら仕方がないと結局許したのだった。
当主がいなくなった後、ソーリスが家を継ぐ事が決まり、キャロラインはマクウェルと離婚。
ソーリスと共に再婚する事が決まった。
キャロラインは子供達に「表面的にも、血の繋がった父親とのつながりがなくなるけどいいの?」と聞いたが、子供達は迷わず首をふった。
リーヤとシーヤの書類上の保護者は、キャロラインとソーリスになった。
牢屋に入っていたマクウェルは、女性関係のもつれでいざこざに巻き込まれ命を落とした。
同じ刑務所に入っていた者達の中に、以前付き合っていた女性が何人もいたのが理由だった。
やがて年頃になったリーヤとシーヤは、貴族の子供達が集う学び舎で、生徒会に入り、校内のトラブルをいくつも収めていく事になるのだが、それは別の話だった。
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