MoA:Rank23「vsグレイファントム」
ごきげんよう、マイグラント。
次の相手は、識別名“グレイファントム”。
廃星ネレイデスに違法に侵入していた独立傭兵であり、あの世界では珍しくパワードスーツに身を包んだ兵士です。非常に堅実な立ち回りを売りとしており、大成功はせずとも失敗はしない、額面通りの成果を見せることで傭兵としての立場を確保していたようです。
以上となります。
シルヴィアは、あなたの働きに期待しています。
エンドレスロール 北部湿地
曇天を頂く広大な湿地に、両者は向かい合う。
「お、来たか。早速で悪いが死んでくれ」
眼前に立つのは、灰色のパワードスーツに身を包み、右腕にスナイパーライフル、左腕にレーザーハンドガンを装備した男だ。
「リスク無く戦うのが俺の趣味でね。詰まらん戦いになると思うが、恨むなよ」
挨拶代わりにライフルを放ち、高速の弾丸がこちらを掠める。こちらは右に動きながら右手に持った三連装グレネードライフルを放ち、爆音とともに飛翔する砲弾に対し、グレイファントムは右肩に装備したコンテナからバルーンが複数発射する。それらは膨れ上がり、どういう構造か急激に硬質化・重量増加を成して地面に突き刺さり、砲弾を受け止めて鎮座する。あちらはそれを簡易的なバリケードにして射線を切りつつ、物陰からスキャンを行ってこちらの位置を把握しながらライフルで狙ってくる。バルーンの周囲を旋回しながら弾丸を躱し、リロード中のグレネードライフルと右肩に提げた中型ガトリングを持ち替え、バルーン目掛けて乱射する。
「ハッ、でたらめに火力で押せば俺が根負けするとでも?」
グレイファントムは物陰から山なりにバルーンをいくつか撃ち出し、こちらの背後に展開するようにする。同時に恐らく左肩から放たれた砲弾がこちらを狙い、回避して地面に着弾すると同時に大量の煙を撒き散らす。更に煙の外から弾丸を重ねてくる動きに対して、こちらは中型ガトリングをパージして軽量化し、右手をグレネードライフルに持ち替えながら、左腕の強化パイルバンカーのチャージを開始する。そのまま全身のブースターを起動して飛び出しながら、空中をジグザグに動いて煙から脱しつつ、バルーンへグレネードライフルを撃ち込む。それに合わせて反撃を繰り出そうとしてきたところに強化パイルバンカーを重ね、撃針を射出してあちらの対応を強要する。
「ぬおっ!?」
グレイファントムは驚愕しながら咄嗟にブーストして回避し、そこにこちらの左肩に装着した大型キャノンから、指向性を持った生命エネルギー衝撃波を射出、あちらは回避の勢いのまま全速力で飛び出してそれも避けきる。こちらは大型キャノンをパージして更に軽量化しながらグレネードライフルを移動先に置き、被弾を嫌ったあちらが空中で急停止する。グレネードライフルを右肩に提げながら追いついたこちらが蹴りを叩き込んで姿勢を崩させ、右拳を三回叩き込んで硬直を延長しながら、チャージした強化パイルバンカーの撃針で胴体を貫いて吹き飛ばし、破壊する。
『“グレイファントム”の撃破を確認。
お疲れ様でした』
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