第4話 席替え
正直 あの頃の小森への恋心は
もうとっくに消えていた
中一の時には クラスメートの
大人びた雰囲気を持つ矢野さんに夢中になり
中二になる頃には
笑顔で挨拶してくれる間宮さんにと
俺の興味は色々な女の子へ
矢野さんは出会った事のないタイプ
落ち着いた雰囲気と態度
声のトーンまで
とにかく大人だった
本当に同じ歳?
けれど 好きな男子がいる事を後に知り
両想いであること
ちょっと不良っぽく
運動神経も良いという
俺とのスペックの差を思い知り
気持ちを伝える気にもなれず
仲の良い友達になれた事で満足した
間宮さんは矢野さんの親友で
仲の良いグループの一人
矢野さんへの勝手な失恋後
部活前の通学路であった時の
笑顔の「おはよう」に
好きにならずにはいられなかった
そしてこの恋は只今絶賛継続中
それでも やっぱり
小森はどこか特別な存在だった
初恋の女の子
心のどこかでいつも
少し気になっていた
そんな中
出席番号順の席順はすぐに終わり
最初の席替え
クジ引きで新しい席が決まる
ドキドキしながら引いた番号の席に向かうと
隣の席にはまた
小森が座っていた
「えー なんで?」
思わず顔を見合わせ
二人で笑ってしまった
その日から関西弁ではない
少し大人になった
小森との 新しい関係が始まった
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