第15話:ヨコマザン ~方向すら失った泡の中で



黒泡帯の奥。

そこは“上下左右”が意味を失う空間だった。

泡は斜めに浮き、ヒゲが逆さに流れ、ナビのコンパスがグルグル泡を描いている。


> システム音:「方向感覚、泡により崩壊。現在位置:?方向」


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ツッコム君は重力を左右に分割しながら進んでいた。

足元の泡が「前向いたらアカン」と警告している。

泡の声は正しいが…逆に意味がわからん。


**ツッコム君(困惑)**

「泡に進路教えてもらう人生って何!?

てかこのナビ、“?方向”って何!?分からんかったら泡立てんな!」


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### 🌀 登場:方向喪失のヨコマザン


空がひび割れる。

泡が中心に収束し、そこに現れたのは――**ヨコマザン**。

巨大な球体。顔も足もない。ただ存在していた。


彼の声は、泡振動で脳に直接届く。


**ヨコマザン(思念通信)**

「方向は…泡の幻想。

左右など…笑いを逃がす言い訳。

お前は…ツッコむために“方向”を使いすぎている」


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**ツッコム君(斜めに浮きながら)**

「俺がツッコミで方向使いすぎてる!?それギャグ方向の話やんな!?

てか泡が概念を説いてくるの、倫理的に泡泡しい!」


周囲の泡がグラつく。

泡構造が“中心を失う”現象=泡座崩壊。


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### 💥 泡空間、方向崩壊


- 足元:「上に落ちてる泡」

- 天井:なし。代わりに“泡ナナメ軌道”

- 会話:上下に送られて届かない


看板魔が通信を試みるが、セリフが泡詩になる。


> 看板魔:「泡よ泡、どちらが笑いを運ぶか。道なき道にてツッコみなさいませ」


**ツッコム君**

「お前、それ“俳句”やん!誰が泡文学を許可した!?」


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### ⚔️ 対峙:泡問答


ヨコマザンが動き出す。いや、“意味のない移動”を開始する。

位置が変わってないのに、泡が“彼の位置が変わったことにした”。


**ヨコマザン**

「方向は、意識が決める。

お前の“進む”は、泡にとって迷惑だ」


**ツッコム君**

「進まんかったらボケ止まんやん!

てか俺の“なんでやねん”が迷惑なら、この世界のボケはどうすんのよ!」


泡が歪む。

その瞬間――“方向感覚”を喪失した泡が、彼に襲いかかる。


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### 🧠 ツッコム君、方向ギャグ哲学発動


泡攻撃を受けながら、彼は悟る。


> 「ツッコミって、前に出ることやない。

> どの方向でも、笑わせる意志があればええ。

> ボケの位置がナナメでも、俺が笑えたらそこが“正しい方向”や」


彼は斜めスライドしながら叫ぶ。


**ツッコム君**

「方向なんて泡!笑うことに方角いらんわ!

“なんでやねん”、この泡に直接ぶち込んだる!」


泡が割れる。

方向を持たない空間で、泡が“正しいツッコミ”によって割れた。


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### 🌊 決着:ヨコマザン、静かに砕ける


空気が揺れ、泡が左右へと再構成されていく。

泡コンパスが“笑い方向=北西ツッコミ側”と記録。


**ヨコマザン(消失前)**

「お前のツッコミ…方向ではなく、存在だった…

笑った泡が…方角を生み出すとは…」


そして彼は、泡座に溶けていく。

残された泡は、ただ一言を書いていた。


> 「笑った。ありがとう」


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**ハサミ子(通信回復)**

「ツッコム君!方向戻ったザマス!泡ナビが“横道、笑撃ルート”って表示してるザマス!」


**ツッコム君(苦笑)**

「ナビがギャグ化してるやん…。方向の定義、ヒゲより曖昧やで」


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🦀 次回予告!

**第16話:ヴァレーデル ~意味のない言葉を笑わせろ**

言葉そのものを壊す泡の神、“構文崩壊者”ヴァレーデル登場!

セリフが泡る中、ツッコミは“言葉じゃないもの”で笑わせられるか!?


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