第38話 変身彼女と..... 第一部完


「ウォーター」


僕が唱えると手から水が出た。


「セレス、私……治っちゃった。ううん、治ったばかりじゃない。目も足も生えてきて、まるで体が新品になったみたい」


あの世界最強の回復魔法。


女神がもたらした最高の奇跡と呼ばれる『パーフェクトヒール』


それは死んでさえいなければ、全てを治癒する。


「うん、そうだね。だけど、まだ心配だから『ヒール』」


僕は呪文省略でレイラさんにヒールをかけた。


「嘘、体の疲れが全部抜けちゃった。凄い」


「そう、良かったね! これで完璧に治ったよ! それじゃ、家まで送っていこうか?」


「うん! 帰ろう……」


レイラさんを連れてにこやかに部屋を出た。


◆◆◆


研究所をあとにしようとしたら……


「なっ、レイラ……その姿」


「あっかんべーだ! セレス様が治してくれたの! それじゃぁね、やぶ医者さん!」


え~と様?  だけど、余程頭にきていたんだな……やぶ医者なんて。


「あの退院? みたいな手続きがあるなら、させて頂きますのでお願いいします」


「はっはい……」


小部屋に入って手続きをしていると、複数の研究所の人は驚いた顔をしていた。


逆にレイラさんは恨みが籠った目で見ていた。


何か聞きたそうな顔をしていたけど、面倒くさそうなので……


『ねぇ、神様って本当にいたでしょう? 『神は自ら助くる者を助く』です。努力をしてもどうしようもない時は、神に頼るのも良いかもしれませんね』


そう言ったら何故か静かになっていた。


手続きは簡単に終わり30分後には研究所を去る事が出来た。


◆◆◆


「ここが、レイラさんのマンション。なかなか良い所に住んでいるんだね」


「うん、セレス様のパートナーになったから支給されたの」


「あの、セレス様っていうのはやめよう……恥ずかしいから」


「それじゃ、勇者様の方が良い?」


「え~と、うん、それならセレス様の方がまだいい」


「そう……それじゃ、セレス様はどんな私が好き?」


「えっ……」


「セレスお兄ちゃん、レイラの事しゅき?」


レイラさんが10歳位の少女になった。


しかも、どこかで見たような……そうだ。


僕がいた時代の『美し過ぎるセクシー小学生』という確か白夢里穂に似ている気がする。


子供なのに大人びたセクシーな女の子……に似ている。


いや、写真でしか見た事無いけど当人に見える。


「それとも、こんなのはどうかな『レイラーチェンジ』どう? なかなか悩ましいでしょう?」


今度は……風吹ひとみ……スレンダーな健康的な有名なグラビアアイドルだ。


「凄い……」


「これが『Reira project: Angel of Science』 科学の天使 レイラ プロジェクトの完成形。 どんな美女にも美少女にも成れるの。それが例え空想上の女の子でもね『レイラ―チェンジ』こんな風にもできるよ」


「菜々美みき……アニメのヒロイン」


「うん、実在のアイドルの幾つかを組み合わせて近い容姿を造りだして、声は声優の水瀬りえ子の声だから本物……どう凄いでしょう? 」


「確かに凄いね……」


「うん、それでセレス様はどんな私がいい? なんならハリウッドスターのマリリン? ソフィー? フィビー、年上が好きならメリルにだってなれるよ! だって彼女達の遺伝子も全部あるから、本物と同じにね……」


「確かに、素晴らしい提案だけど、誰か一人を選ぶならレイラさんが良い」


「えっ、私のままが良いんだ……しょうがないなぁ……『レイラオフ』これでいいの?」


「やっぱりレイラさんはその姿が一番だよ」


「そう……それじゃ、これで相手して貰おうかな?」


そう言うとレイラさんは髪をかきあげて、僕を押し倒した。


「レイラさん……」


潤んだ瞳で僕を見つめてくる。


「うふっ、私の中には沢山のセクシー美女の遺伝子も組み込まれているから、最高の経験をさせてあげる……」


そう言ってレイラさんは妖しい目で僕を見ると舌なめずりしていた。


「お手柔らかに……」


その後は……


今迄も凄かったけど……それすら霞むような凄い体験だった。


気がつくと深夜になり、月明かりが部屋を照らしていた。


ようやく落ち着いて今、レイラさんは僕の腕の中潤んだ瞳で僕を見つめている。


「セレス様はまだ学生だから、そろそろ帰らないと不味くないですか? 一緒にいたいけど……」


「さっき僕から連絡してみたけど『明日の朝には戻って下さい』と釘を刺された……だから帰るのは明日で大丈夫だよ」


「そうですか? それなら良かった……それじゃ、もう少し……うんちゅっ」


レイラさんが口づけをしてきた。


落ち着いたと思っていたのは、どうやら僕だけのようだった。


◆◆◆


朝になりレイラさんと朝食を食べ終えた僕はスクールに戻ってきた。


入り口にはマドカ、ソフィア、セシリア先生をはじめ沢山の女の子が待っていた。


「「「「お帰りなさいセレス(くん)」」」」


心配してくれていたのかも知れない。


「ただいま~」


僕の楽しいスクールライフは、まだ始まったばかりだ。


第一部 完


※第二部再会は少し時間が空きます。

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