第4話 魔力の大事さ

ガタンッ……ゴトン——ッ! ガタンッゴトン……


 僕は、激しい揺れと共に目を覚ますと——貨物馬車を運転する商人の【カカシ】と言う青年が話しかけて来た。


「やあ、目を覚ましたのか君。危うくひき殺す所だったよ!」


 そう、あっけらかんと話すカカシは少し進むと開けた所で休憩を取る為に馬車を止めた。

 そして、カカシは朝食を食べながら僕の話を聞いてくれた。


「なるほど、妹を探す為の旅にね……

 んで、妹は何処にいるか分かっているの?」


 僕が言葉に詰まると、カカシは……


「もし、目的が決まってないなら。

 僕と一緒に、ここから2週間ほど進んだ所にある港町イーストポートに行ってみないか?

 あそこは、デッカい港町だから。

 もしかしたら妹の情報も手に入るかもしれないしね。

 あと、大きなギルドもあるから冒険者登録は、そこでするのがお勧めだよ!」


 そう言って笑うカカシの笑顔に、僕は癒しを求めていたのかもしてないが……

 行くあても決まってなかった僕は、カカシと行動を共にする事にした。

 そして、この国で1番——商業が盛んな港町イーストポートに向かう事になった。


 それから数日間、カカシと僕は旅をすると——とても仲良くなった。

 しかし、僕は妹を探す為にイーストポートに着くと——僕は、カカシと別れると冒険者登録をする為にギルドへと向かったが……

 そこでも、僕は魔力が無い事が原因で——またもや難題にぶち当たる事になってしまった。

 僕は、ギルド登録を行うと受付のアイリスにハッキリと言われてしまった。


「クロウさん、貴方は冒険者に訳ではありませんが……はっきり言って向いてません!」


 理由を聞くと、納得せざる得ない事であった為に僕は落ち込んだ……


 なんでもアイリスの説明によると魔物は、獣と違い魔力マナを宿した者の攻撃でしかダメージを受け難くなってるらしく。

 魔法使いなら魔法で、剣士なら闘気と言った形で人は基本的に魔力を何らかの形に変えて攻撃を加えているらしく。


 そして、この世界に生きる者には基本的に皆んな魔力マナが宿っている為に——僕みたいなケースは稀との事であった。


 でも、薬草採取や獣を狩るなどといったクエストは受けられる為に——絶対に冒険者になれない訳では無いが……魔物に至っては、ゴブリン1匹にすら手こずるとの事で、冒険者として食べて行くのは無理だとハッキリと言われてしまった。


 それでも僕は、妹を探すと言う目的の為に——世界中に有るギルドというのは、旅をしながらクエストをこなす事での収入を確保する。

 そして、世界中に張り巡らされたギルド特有の情報網は妹を探すうえで——このうえなく役に立つ。

 その為に、世界中を旅出来る冒険者になるというのは妹を探すうえで必須であっる故に——僕は、アイリスに無理だと言われたが諦める事なく1番低いランクの薬草採取のクエストから始める事にした。


 そして、薬草採取のクエストを数日間こなすとランクが上がり。

 ゴブリン退治のクエストを受ける事になった。


🟥🟥🟥【ゴブリン退治】🟥🟥🟥


 その日は、朝から森に入るとゴブリンの足跡や痕跡を追った。

 そして、1匹のゴブリンを発見すると僕はゴブリンと戦闘になった。


 僕は、ゴブリンを見つけると初めは不意打ちをかけようとしたが、自分の実力を確かめる為にもゴブリンと正々堂々と正面から戦う事を決めた。

 そして、僕が剣を構えると僕よりも少し低い。だいたい身長1メートル20センチくらいの緑色の小鬼は棍棒を構えた。

 すると、何故か!? 薄気味悪い笑みを浮かべて笑い出した。


 そして、いきなり棍棒を振り上げるとゴブリンが襲いかかって来た。

 僕は、その棍棒を剣で跳ね上げると一瞬の隙を突いてゴブリンを斬りつけた。


 すると、ゴブリンは僕の一撃が効いたのか叫びながら地面を転がり回ったが……

 切られた傷の浅さに気づくと、立ち上がり。笑みを浮かべると、また襲いかかって来た!

 僕は、何度もゴブリンの攻撃を避けるとゴブリンに、2撃……3撃と加えるがゴブリンに致命傷は与える事が出来ずに、戦闘は難攻を極めた。


 そして、日が傾きかけた頃に……ようやくゴブリンを追い詰めると——。

 ゴブリンは、叫びならがら走って逃げ出してしまった。

 そんなゴブリンに、僕は叫んだ——ッ!!!


「待て——ッ!!!」


 しかし、僕はゴブリンを追おうとするが足が重く思う様に動かなかった為に追い詰めたゴブリンを取り逃してしまった。


 そんな僕は、仕方なくゴブリンを諦めると暗くなる前に森を出る事にした。

 そして、街に戻って来たがゴブリンを1匹も倒せなかったのでギルドに報告出来ることが無いので、この日の僕は報酬は無しの為に宿に泊まる事も出来ずに、何も食べずに野宿をする事になった。

 僕が、ボロい布をかぶるって寝ていると——そこに人影が現れると、僕の前に袋を置くと何も言わずに立ち去っていた。


 次の日——。


 僕は、空腹で起きると目の前に袋に入った食料が置いてあった。

 僕は、誰が置いたか分からない。それを食べると……昨日のリベンジをする為に早朝から森に向かうとゴブリンを探した。

 そして、昨日逃げ出した。傷ついたゴブリンが体を休めているのを見つけると僕は、そのゴブリンに襲いかかった。

 奇襲が功を奏したのか傷ついたゴブリンをすぐにやっつけると討伐の証拠のゴブリンの耳を剥ぎ取ると次のゴブリンを探して森を彷徨った。

 すると、またもや1匹のゴブリンを見つけると戦闘になった。

 僕は、昨日の経験もあるのでゴブリンの行動や攻撃を予測して戦うと今回は苦戦はしたももの、そこまで時間をかける事なく倒す事に成功すると討伐の証拠としてゴブリンの耳を剥ぎ取ろうとすると……

 突然、木の影から2体のゴブリンが現れると——今度はゴブリン2体と戦闘となった。

 そして、僕は激しい戦闘の末に2体のゴブリンにボコボコにされると命からがら、その場から昨日のゴブリンの様に逃げ出した。

 

 そして、街に戻るとギルドにゴブリンの耳を渡すと討伐報酬として銀貨1枚。1000ゴールドが支払われた。

 僕は、それで1日ぶりの食事を摂ると——明日は、2体のゴブリンにリベンジする事を決めた。


 次の日——。


 僕は、ゴブリンにリベンジする為に——またもや朝早くから森へと来ていた。


 そして、3体のゴブリンを発見すると……

 僕は、木の影に身を潜めた。


 (2体のゴブリンにもボコボコにされたのに、3匹は無理。必ず負ける!)


 なので僕は、様子を伺いながら静かにゴブリンの後を追うと……

 ゴブリン達は、自分達の巣穴へと戻って行った。

 ゴブリンの巣穴は洞窟になっていて、外からは分かりにくい形となっていた。

 そして、ゴブリンの巣を見つけた僕は……


「ここは、ゴブリンの巣……

 この中には大量のゴブリン達が居て、コロニーを生成しているのか……

 こんなもんゴブリンの巣僕1人で、どうにかなる物では無い。とりあえずギルドに報告しないと……」


 そうして、僕は——その場を急いで離れるとギルドにゴブリンの巣を報告した。


 すると、僕は無理に1人で突入しなかった事を受付のアイリスに褒められたが……

 しかし、本当は自分の実力では間違いなく死ぬ為に突入出来なかった。だけである事を説明するが、アイリスは——それでも自分の実力を判断出来ずに無茶をする冒険者が後をたたずに、それを救出する為にギルドへの無駄な依頼が増える事を説明されると——。

 確かに、それに至ってはギルドに無駄な仕事が増えるのを回避した事になるのかと納得した。

 そして、今回ゴブリンの巣の報告として銀貨3枚が支払われると僕は、久しぶりに宿屋に泊まるとゆっくりと疲れをとった。


 それから数日後、ギルドの依頼で10数名の冒険者がゴブリンの巣の討伐に向かうと数名の負傷者を出しながらも見事にゴブリンの巣は駆除された。


 その後の僕はと言うと……巣から散ったゴブリンを1体ずつ倒して行くと、毎日3体くらいのゴブリンを倒せる様になり。宿と食事は何とかなる様になった。

 しかし、その一方でゴブリンの巣を見つけたのに討伐には参加しなかった事で怪我をした冒険者やその仲間達に反感を買うとギルドにいづらくなってしまった。


 しかし、それには裏があり……

 一応、表向きは——そうなっていたが、本当の所は魔力が無いのに地道に頑張る僕に担当であるアイリスが応援と共に周りにも分かるくらいに好意を寄せた事により。

 それに気づいた周りが嫉妬すると、ゴブリン退治の事が合わさると冒険者達からのあたりが強くなると僕はギルドにいずらくなってしまった。

 そして、他の冒険者の嫌がらせにより。僕が受けられるレベルのクエストが徹底的に潰されて僕は、受けられるクエストが無くなると冒険者を続けられなくなってしまった。


 途方に暮れた僕は、少しのお金と共に街をフラフラしていると……

 そこで同じ様に途方に暮れているカカシと出会う事になった。

 それから僕とカカシは、互いに酒を飲見ながら話すと……

 僕は、カカシの手伝いをする事になった。

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