第5話

「私は…」

私はこの時かなりの勇気を振り絞ったと思う。

陽菜のバドミントン部だよね?ってキラキラした目には罪悪感があるけど、

「私は…やっぱり管弦楽部に入りたい。」

「ふーん。なんか澪、変わったよね。前までは勝手に決めといて~って言ってたのに。あと大人数は嫌いだったんじゃ?でもそんな澪も好き!」

「バドミントン部に比べればそんなにいないでしょ。あっちは50人くらいいるじゃん(笑)それにフルートも面白そうだったし。」

「じゃ、澪は管弦楽部、私はバドミントン部か。美乃梨!澪のことよろしくね!」

「なんで、私がお願いされてるん?そこまでバカじゃないからね?」

「澪ちゃんも美乃梨ちゃんも二人とも仲良くして~!」

こうして中学校での部活が始まった。


でも、問題はすぐに起こる。


「やばい…そういえば私、楽譜読めない!」

「え?澪ちゃんもピアノとかやってなかったの?」

「うん。」

「いい覚え方教えてあげる」

「お願いします。美乃梨様」

「えっとねー、【みそしるはどれ】で覚えるといいよ!」

「え?みそしる?」

「五本あるうちの一番下の線がみそしるのミ」

「下から二本目がみそしるのソ」

「下から三本目がみそしるのシ」

「下から四本目がみそしるの、「る」なんだけど、変えてレ」

「下から五本目は、みそしるはの、「は」だけど変えてファ」

「どれ、は?」

「おまけで考えてくれていいよ」

「へぇ~。そんな覚え方もありなんだ。ってかわかりやす!」


「澪ちゃ~ん!」

「あ、日葵ちゃん!」

「日葵でいいっていってんじゃ~んwあと澪ちゃん!一緒に練習しよ!」

「うん!美乃梨ちゃんまたあとでね!」

こうして、これからどんどん楽しい部活が始まる!

はずだった…


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る