第9話華蘭の気持ち
「華蘭…もしかして、なんかあった?」
察しが良い陽菜ちゃんが言う。
「うん」
ホントは言いたくない…
私は、身勝手だってわかったから。
「友達が付き合ったんだ」
「っ…」
「でも私、素直におめでとうって言えなかった」
華蘭の目に大粒の涙が浮かび、ついに溢れ出て頬をつたう。頬がみるみる赤くなる。
「わかってる。あの時のおめでとう、全然笑えなくって」
「華蘭、、、」
「私は、真恋にも相談せず付き合ったのに……」
「華蘭はさ、それがわかるだけ良いんじゃない?」
「え、、、」
「それがわからないひとだっているじゃん」
「っ、、、」
「じゃあ帰るね」
そう言って新しい紙マスクを置いて陽菜ちゃんは帰って行った。
真恋のほうの家には帰りたくない。彼氏のうちでも行くか。
自転車置き場の自分の自転車をスイスイこぎ家まで行った。
「お邪魔するね。」
「華蘭、、珍しいね。俺ん家来るなんて。」
「コンビニの賞味期限今日までのやつもらってきたから。」
「そんなにいいのに。」
「、、、、真恋ともう会えないかも。」
「は?」
「英介だって、前大喧嘩してきたじゃん。酒の勢いで。」
「はいはい。」
そう言って私の頭にぽんと手を置き、泊まる部屋の整理をし始めた。
華蘭にああ言ったものの…
ガチャ。
私なんだけどね。
それが分からない人。
私は、3股をかけられた経験がある。
高2の頃だった。
裏で人気の人に告られOKした。
そもそも、その人のこと好きじゃなかったから、私のダメージはほぼなかった。
問題は、残りの2人。
私のほうがあの人と似合っているって言い合っている。
私は面倒くさいからぼーっとしていた。
そしたら、
「アンタもなんか言いなさいよ」
「◯◯の元カノのくせにぼーっとして!」
は?
いや何で私が、巻き沿いくらってんの?
意味不明なんだけど。
「別に好きじゃないし。そもそも◯◯が告ってきたんだよ」
そう言っておいた。
「はーだる。嘘ついてんでしょ!」
「マジそれなー」
「そう思うなら聞いてみたら?」
いつもの顔で言うと、急に2人はゾッとした顔をし、どこかへ去っていった。
私のいつもの顔とは、怒ってるか泣いてるか分からない微妙な顔。
言葉に圧をかけて、、、という感じ。
まぁ私はどーでもよかったマジで、
一方その頃ーーーーー
華蘭からラインが来ない。
ベットに正座で座り、スマホを真ん前に置く。
反省体制だ。
えっ帰るの遅くない?
どうしよどうしよ。
送りたいんだけど、、、
なんか出しゃばるのもなー。
よし、華蘭から来るのを待とう。
その華蘭ーーーーー
真恋からラインが来ない。
ベットに正座で座り、スマホを真ん前に置く。
反省体制だ(2回目)
普通送ってくるのに、送ってこない。
電話してんのかな。
送ったほうがいいかな。
いや、いやいやいや。
真恋から来るのを待とう。
待つんだ。
そう。
『『待つんだ。私。』』
—————————————————————————
重なった思い、、、
どうなる!?
次回、この後どうなる!?
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「22」 ヤン犬&読解秋夢 @7328
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