第14章 – 蒸気、肌、そして謎の感情
「お前は行かない。」
ロンドの声が静寂を切り裂いた。
スティーブンは指令室の中央に、シャツを着ず、裸足で立っていた。手には神聖なアーティファクトのようにポップコーンのボウルを抱えている。蛍光灯の下でうっすらと光るその上半身は、呼吸のたびに筋肉がほのかに動いた。目は遠く、何かを見ていないようだった。
最初に動いたのはアナだった。怒りと恥ずかしさが混ざった顔でスティーブンに突進し、手の一振りでポップコーンのボウルを叩き落とした。雪のように舞うポップコーン。
「何考えてるの?!」
そのまま彼の頬を平手打ち。
スティーブンはほとんど反応しなかった。「あ。シャツ。忘れてた。ごめん。」
「忘れてた?!」アナの目が燃える。
キアラは壁に寄りかかりながら低く口笛を吹いた。「でも…彼、ちょっとイケてるわよね。」
テイズは固まったまま。「マジでコイツ…?」
ロンドはゆっくりと腰の銃に手を伸ばす。「あと一言で撃つぞ、ヨコジョウ…」
その肩に優しく手が置かれた。ラッソだ。
「大佐。…行かせてもいいんじゃないですか?今回の旅って、緊張をほぐすのが目的ですよね?」
ラナは腕を組んだままきっぱり言った。「絶対にダメ。あいつは狡猾な寄生虫よ。」
アナも腕を組んで、横目で睨む。「行かせて。私が監視する。ぴったり、ね。」
ロンドは歯を食いしばり、鼻から息を吐いた。
「…いいだろう。だが監視下だ。アナ、お前が責任を持て。」
ロンドンの病院
キンバリーは母親のベッドの横でぐったりと座っていた。母の冷たい手を握りながら、端末にはミスコールが山ほど。アナ、キアラ、ラナから。
医者が静かに入ってきた。「安定しています。少し休んでいいですよ。」
目をこすりながら立ち上がるキンバリー。「ヤバい…戻らなきゃ…!」
50分後・東京、8つ星テックリゾートホテル
初めての私服。
ラッソが読み上げた。「部屋割り:
スティーブン&キンバリー
キアラ&ラナ
テイズ&アナ
僕一人
ロンドも一人」
沈黙。
スティーブンとキンバリーが見つめ合い、何も言わずにうなずく。
テイズは狼狽。「え?アナと同室!?それは…」
アナが片眉を上げた。「横で寝なさい、テイズ。噛まないから。」
「僕、床で寝るよ。」
「ダメ。」
ラナとキアラの部屋。
「ベッド1つだけ?」ラナが凍る。
キアラはベッドに飛び込み、「はぁぁぁぁ♡ 最高〜〜〜〜」
ラナは呟いた。「セクハラの化身と寝る羽目になるなんて…」
「愛してるわよ、雪の女王♪」
1時間後・プールサイド
スティーブン:グリーンのピチピチ水着で登場。裸の上半身は彫刻のよう。
テイズ:黒のボクサー。視線が気になって落ち着かない。
ラッソ:髪を初めてほどいた。肩にかかるウェーブ。「プールでは結ばない主義さ」
ラナ:白いビキニ、優雅だが強さもある。彼を見て一瞬手が止まる。
「モデルか何か?」
「ALKENのポスターボーイだよ♪」
女子陣:
キンバリー:ピンクの控えめビキニ。清楚で柔らかい雰囲気。
アナ:真っ赤なワンピース。一切の露出なし。髪は編み込み。
キアラ:極小の黄色ビキニ。体にオイルが光る。
キアラが回転。「なに?初めて胸見たの?」
アナ:「裸同然よ!」
キアラ:「あなたは自分の女らしさから逃げてるだけ〜」
ラナ:「その水着…自尊心どこ行ったの?」
キアラ:「あなたの谷間の方が通報モノよ♡」
テイズ:「よし!レースしよう!勝者に昇給だ!」
スティーブンは水面をじっと見つめ、「ダイヤモンドが溶けたみたい…」
ドボーン!ラッソが背後から突き落とす。
…沈んだまま。
テイズが飛び込んで引き上げる。「お前…泳げないの?!」
「…動かないと…溺れるとは…」
「出ろ!」
レース開始!
ラナ:サメのように優雅。
ラッソ:パワフル。
テイズ:しっかり追い上げ。
キンバリー:必死にキック!
アナ:静かに無駄なく。
キアラ:叫んで、諦めて、浮いてる。
ラナ、圧勝。
キアラ:「あっ、ビキニズレた♡」
アナ:「アンタ裸じゃない?!」
「このままの方が…ホテル割引あるかも♡」
ラナ:「アンタって本当に…」
キアラ:「今『アンタ』って呼んだ!もう親密よね♡」
サウナ
スティーブンは汗一滴も出さず上段に。
テイズ:「なあ…キンバリーに手出すなよ。俺…告白したいんだ。」
スティーブン:「デート?…出るの?」
「違う!そういう意味じゃねぇ!」
キンバリー:プールサイド
ラッソ:「トゥルース・オア・デアやるよ。来る?」
キンバリー:「う、うん…多分…」
「可愛いすぎて外せないからな♡」
ラナがサウナから出る、頬が赤く、髪が濡れて美しい。
ラッソ、すれ違いざまに固まる。「綺麗すぎ…」
ラナ:「何見てるの?」
ラッソ:「地平線…人生最高の眺め」
ラナ:「…黙れ」
夜・アナとテイズの部屋:皆で集まりゲーム中。
キアラはブラとミニパンツ。
スティーブンとキンバリーが隣に座り、静かに見つめ合う。
「…ありがとう。あの時抱きしめてくれて。」
「いつでも。」
ボトルが回る。
止まる。
スティーブン。
アナ。
アナ:「スティーブン、あなたは…」
ロンドン警察署・取り調べ室
ロラは手錠をかけられ、片目が腫れ、血が乾いていた。
警官:「殺人容疑で逮捕する、サイボーグ。」
ロラは、黙って彼を見つめていた。
つづく…
ゲストロニオ - Gestronio:美しすぎる兵士たちと欲望まみれの宇宙戦線 ダニエル・G @coldwarrior12
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