ふわもちなおっぱいを、どうやら鷲掴みにしたらしい

「頭痛った……ッ!」


 時刻九時を知らせる携帯のアラーム音が、部屋の隅から隅に響き渡る。


 寝起きから襲われる堪え切れない頭痛に、凛音は目を開けるよりも先に苦悶の声を上げた。


「あぁぁ……マジで頭痛い。ヘパリーゼ飲んだのに……」


 二日酔いに良く効くと言われている清涼飲料を飲んだのにも関わらず、彼の頭は鉄のように重たく、激しい痛みを伴っている。さながら、絞られている雑巾の気持ちだ。


「はぁ、昨日は飲み過ぎて、コンビニを出てからの記憶が無いんだよなぁ……ただ……」


──めっちゃ変な夢……見てた気がする……


 内容についてはあまり鮮明に思い出せないが、合コンで良いように使われた挙句泥酔して見た夢など、どうせロクなものじゃないだろう。


 夢の内容について、特にそれ以上深く考えようとはせず、乾いた喉を潤す為重たい体を無理矢理起こす。


 そのまま、冷蔵庫のあるキッチンに行こうと、ベッドに手を付いて立ち上がろうとしたその時──


──むにっ。


「…………ん?」


 今まで触れた事の無い、マシュマロのような柔らかさを帯びた何かが、左手を包み込んだ。いや、正確に言えば、が左手を包みこんだのでは無く、左手がに沈み込んだのだが……


 何かは分からないが非常に触り心地の良いそれを、本能のままもう一握り。


──むにむにっ。


「あんっ……///」

「……あん?」


 柔らかいから鳴った、女性の甘くなまめかしい嬌声きょうせい。彼女のいない独り暮らし大学生男子の部屋で、絶対に聞こえる事の無いその喘ぎ声。


 凛音は、恐る恐る色っぽい声が聞こえた方向に視線を向けた。


 そこにいたのは、少し頬を赤らめた、色白の金髪美少女であり……


「あ……えっと、おはようございます……」


 恥ずかしそうに目線を下げながら、そう口にした美少女──深夜のコンビニに捨てられていた王女ルリア。


 ぼーっとした頭でただ唖然とする事しか出来ない凛音。そんな彼に、ルリアは赤面した顔を隠す為毛布を顔の半分まで上げながら、


「あ、あの……お手てがわたくしの胸に……恥ずかしいです……」

「……え?私の……胸……?」


 何を言っているのか分からず一瞬硬直した凛音。


 しかし、左手の感触とルリアの言っている事が頭で結び付いた時、焦りながらルリアがたくし上げた毛布を一気に捲くって今の状況を確認した。


 瞳に映ったのは、白い下着に覆われたメロンのような巨乳──そして、それを鷲掴みにしている自身の左手。


「う、うわぁああ!ご、ごめんなさい!!」


 見知らぬ女性の胸を掴んでいた事実に、慌てながら手を放す凛音。その勢いで、転がるようにベッドから外に出た。


 その様子を見ていたルリアは、微笑を浮かべながら口を開く。


「ふふっ、そんな勢いでベッドから転がり落ちなくても。面白かったので、今回の事は気にしなくって大丈夫ですよっ」

「い、いや!本当にごめんなさい!!」


 訳の分からぬまま、地面に額を付けて全力土下座謝罪をして見せる凛音。


「だ、大丈夫ですから頭を上げて下さい!そこまで大袈裟にされますと、逆にもっと恥ずかしくなってきてしまうので……」

「え、あ、はい……!すみません……!」


 毛布で体を隠しながら頬に熱を残すルリアと、気まず過ぎてバツの悪い表情を浮かべる凛音。


 沈黙に包まれるこの空間で、困惑する彼の脳内は様々な思考が行ったり来たりする。


──え?誰?このすっごい美人な子は一体誰!?……おっぱい柔らか!!確か昨日は、合コンに行って飲まされた挙句俺だけ二次会行けなくて……あれ?ほんとは女の子持ち帰ってた!?……てか、おっぱい初めて触ったんだけど!?いやでも、あの合コンにこんな美人はいなかったはず……おっぱい大きくね!?あーもうっ!頭がおっぱいに支配される!!!


 所々、触れたおっぱいに思考が引っ張られて、とてもじゃないがこの健全なおっぱい脳で今の状況を纏める事は無理そうだ。


 自分が初めておっぱいを触ってしまった事と、戦争はしちゃいけないという事以外、確固たる事実が何も分からない今。一旦、自分が最も疑問に感じている部分を口に出してみる。


「あ、あの……」

「……?はい、何でしょう?」

「その、俺……昨日めっちゃ酔っぱらってて……」

「そうですね。昨晩は、大変気持ち良さそうに酩酊していらっしゃいましたね」


 少し楽しそうにそう言ったルリア。


 凛音は、バツの悪い表情そのまま、気まずそうにその先の言葉を吐き出す。


「な、なので、その……昨日の記憶が、あんまり……というか、全く無くて、ですね……」


 言いながら、チラっとベッドにいる見知らぬ少女の顔色を窺った凛音。


 ルリアは、そんな彼の言葉を聞くと、胸を鷲掴みにされた時以上に凄い勢いで、新雪のように白い顔の肌を、熟れたリンゴと見間違う程真っ赤に染め上げて、


「昨晩の事、覚えていらっしゃらないんですか……?あんなに、お楽しみでしたのに……///」


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