第31話 渚と真悠のオタ活日和


ある日の放課後。

藤井渚と高安真悠は、

校内のベンチで、ひっそりと語り合っていた。

「やっぱ、Bloomé最高だよな!」と渚が熱く語り出す。

「うんうん、私も武唯奈ちゃん推し!」

真悠の目はキラキラしている。

渚はにこやかに言った。

「俺の推しは茶谷侑李!あのキラキラ感、パフォーマンスの完成度、もう…惚れちゃうよね」

「そうそう!茶谷侑李ちゃんはパフォーマンスすごくて、キレキレでかっこいい!

でも、武唯奈ちゃんは歌声が透き通ってて、笑顔がほんとに可愛いんだよね」

ふたりはスマホの画面を見せ合いながら、

ライブ映像の話やMVの細かいダンス振り付けの話で盛り上がる。

「昨日の動画観た?武唯奈ちゃんがセンターで踊ってたところ!あの動き完璧だよね!」

「うん!私も何回もリピートしてる!茶谷侑李ちゃんのソロパートもカッコよすぎて何回でも聴いちゃう」

二人の会話は止まらない。

「今度のライブ、一緒に行かない?」

渚が真悠にそっと提案した。

真悠は少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑う。

「うん、行きたい!絶対楽しいよね」

ふたりの間には、音楽とアイドルへの熱い愛が静かに、でも確実に繋がっていた。

ライブ前日の放課後、真悠と渚はまたカフェテリアに集まった。

「明日、楽しみすぎて夜眠れないかも」

真悠が笑いながら言う。

「俺もだよ。茶谷侑李のあのキレキレのダンス、目に焼き付ける」

渚もワクワクが止まらない様子。

「武唯奈ちゃんの笑顔、間近で見たら泣いちゃいそう」

真悠は少し顔を赤くしてそう言った。

「じゃあ、明日は俺たち、一緒に最高の時間にしような」

渚が真悠の手を軽く握った。

真悠は驚いて、でも嬉しそうに見つめ返す。

「うん、絶対ね!」

ふたりの間の空気がほんの少しだけ近づいた夜だった。

待ちに待ったライブ当日。

真悠と渚は会場の前で待ち合わせた。

「たけけ、最高に可愛いよな!」

渚が笑いながら言う。

「ゆうりのダンスもキレキレで、見るたびに感動しちゃう」

真悠も目を輝かせて返す。

会場に入ると、ファンの熱気に包まれ、胸が高鳴る。

二人は同じペンライトを振りながら、声援を送った。

ライブ中、たけけの透き通った歌声に感動し、

ゆうりのパフォーマンスに魅了され、思わず手を握り合う。

「渚、一緒に来てよかった」

真悠がにっこり笑う。

「俺も。たけけとゆうり、最高だな」

渚も笑顔で答えた。

ライブが終わった後、ふたりは余韻に浸りながら、

これからも一緒に応援し続けようと約束した。

ライブが終わった翌日の放課後。

真悠と渚は学校帰りに駅前のカフェに寄った。

「まだ余韻が抜けなくてさ、たけけの笑顔が目に焼き付いてる」

真悠はふわっと笑った。

「ゆうりのパフォーマンスも最高だったな。あのキレキレのダンス、ずっと見ていたい」

渚も興奮冷めやらぬ様子。

ふたりはライブの話で盛り上がりながら、少しずつ距離を縮めていく。

渚がふと口を開いた。

「真悠、ライブのとき、隣で一緒に盛り上がれて本当に嬉しかった。ありがとう」

真悠は少し照れながらも笑顔で答える。

「私も。渚と一緒だからもっと楽しかった。これからも、いっぱい行こうね」

帰り道、ふたりは並んで歩きながら、笑い合った。

音楽が二人の距離を少しずつ近づけているようだった。

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