冒頭の緊迫感溢れる「シカの絶望的な空中戦」から、一転して「エレアスの怠惰な日常と内なる決意」へと繋ぐ、静と動のコントラストが非常に美しい物語でした。
独自の神話や竜の生態、種族設定が1話の中に自然に溶け込んでおり、一気にこの世界の厚みと物語の行く末に惹き込まれました。
中でも「夢」と「現実」で交錯する、二人の強い絆は必見。
瀕死の状態でエレアスのもとへ帰ろうとバリスタの脅威に立ち向かうシスカの視点と、その悪夢を見て飛び起きるエレアスの視点。
お互いを深く想い合う二人の強い結びつきが、まだ出会っていない冒険の「前日譚」として読者の胸を締め付けます。
児童文学の持つ、美しくもどこか切ない空気感が好きな方に、ぜひ強くおすすめしたい作品です。特にダレン・シャンとか!
ネタバレを避けるため、主人公が「何者」であるかはぜひ実際に読んで目撃していただきたいのですが
親友との再会を果たすために、たとえ〇〇になってでも会いに行こうとする姿はまさに愛(恋愛的な意味ではく)であり、強い絆を感じさせます。
何を書いてもネタバレになってしまうから、ほんと読んで欲しい・・・!
巡る命の中で主人公が仲間の一人に放つ言葉があるのですが、「会えたとしても。それは僕等じゃない」。
この言葉は個人的に深く突き刺さる名言だと思ってます。