8月6日6時 朝刊
北海日日新聞 2025年8月6日 1面 「小樽市銭函・オタネ浜の地中から白骨遺体」(※32-1)
小樽市銭函・オタネ浜の地中から白骨 100年以上前の遺体か 警察が慎重に調査
2025年8月4日、北海道小樽市銭函地区に位置する海岸、オタネ浜近くの原野において、白骨化した遺体が発見された。現場は浜辺に隣接する草地の奥まった一角で、遺体は地表より約1.8メートルの深さに埋められていたという。
発見者は札幌市在住の女性。個人的な研究目的で地質の調査を行っていたところ、人骨らしきものを発見したという。女性は直ちに警察へ通報。駆けつけた小樽警察署の警官により現場が封鎖され、鑑識班と法医学の専門家による検視、並びに周辺土壌の分析が始まった。
警察によれば、発見された遺体は完全に白骨化した状態であり、衣類や所持品など、身元特定につながる物品は現在のところ確認されていない。遺体の損耗状況から、少なくとも数十年以上前に亡くなった可能性が高く、一部の関係者は「100年以上前のものではないか」と指摘しているが、詳細は今後の調査に委ねられる。
女性は通報後の事情聴取に対し、「はじめは動物の骨かと思ったが、大きいものが何本も出てきたので(人骨なのではないかと)不安になり、警察へ連絡した。まさか本当に人間の骨だとは思わなかった」と語っている。
遺体が発見されたオタネ浜は、昭和期のごく短い期間ではあるが、海水浴場として地域住民や観光客に親しまれた場所だ。全盛期の海水浴客は10万人を超えたという。しかし、水質汚染や石狩湾新港の着工の影響で、海水浴場としては数年のうちに閉鎖。現在も遊泳禁止となっており、近年では来訪者もめっきり減少していた。人里から見て発見地点は汚泥処理施設のさらに奥に位置し、周囲には他の施設はない。地元住民の多くも「この辺りに足を踏み入れることはほとんどない」と話している。
警察は現在、発見された遺体の身元や埋没経緯を含め、慎重な調査を進めている。犯罪性を示す明確な証拠は確認されていないが、今後の鑑定結果によっては、過去の行方不明者の情報などとの関連を検討する方針だ。
小樽署関係者は「遺体が長期間地中に埋まっていたことは明らかだが、年代や身元の特定には調査の結果を待つ必要がある。事件性のないことが確認できれば、地方自治体や博物館等への引き渡しを検討している」と説明。
浜辺の静けさの裏に眠っていた過去に、地域からも戸惑いと関心の声が寄せられている。
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