エメラルドムーン

あゆやか

　僕は月が好き。

　外で見る月が好き。

　家のなかだとよく見えないんだ。

　僕は不登校なの。

　だから、時間だけはあるんだ。

　まぁ、出掛けられるのは夜だけだけど。

　みんながいると思うと動けないから。

　夜、散歩してるんだ。

　この瞬間だけは、全てを忘れられるから。

　月だけは、僕を照らしてくれるから。

　月は好き。

　みんなは嫌い。

　僕をいじめるから。

　みんなを好きになろうと思ったこともあったけど、好きになれなかった。

　だって、みんなは僕を拒絶するんだもん。

　今の僕はきっと、谷にいる。

　でも目の前には山が見える。

　だから大丈夫。

　きっと、登っていける。

　なんて、ありきたりかな？

　まぁいいや。

　どうせ、これから一人で生きていくんだから。

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