愛 シ タ イ
ハルヤマ ミツキ
愛 シ タ イ
ああ、愛おしい……。
長くて綺麗な指、切れ長の瞳、唇の下にあるセクシーなホクロ……。
すべてが愛おしい。
すべてが魅力的。
前の彼も、その前の彼も、愛おしく魅力的だったけど今の彼が一番。
ワタシは自分のものより一回り大きい彼の手を握った。
彼の体温を感じる。
幸せ。
「ねえ、頬に触れてもいい?」
そう確認を取ってから、指先で彼の頬に触れた。
肌艶のいい、色白の肌。
ゆっくりと、撫でるように指を滑らせる。
そうしていたら思わずキスしたくなってしまって、ワタシは恥ずかしさを感じながらも勇気を出して彼の頬に口づけをした。
「ごめんなさい、嫌だった……?」
おそるおそる聞いてみたけど、彼は怒っていなかった。
やさしい。
だから、好き。
でも、彼の優しさに甘えているだけじゃダメだよね。
彼が優しいのは、ワタシを愛してくれているから。
なら、ワタシも彼をたくさん愛さなきゃ。
もう一度、彼の濡れた頬にキスをする。
彼がワタシを愛すように、ワタシも彼を愛さなきゃ。
キスをする。
たくさん愛さなきゃ。
口づけをする。
ううん、足りない。
舌で、彼の頬を伝う雫を掬う。
こんなんじゃ、彼の、ワタシに対する愛に勝てない。
口内に広がる、彼の味。
彼が、ワタシが、満足するまで彼を愛したい。
味わい深い、彼の頬を舐めまわす。
もっと、もっともっと愛したい。
彼を、ワタシから目を離さない彼を、すべてを受け入れてくれる彼を、されるがままの彼を、真っ赤に染まった彼を……。
愛したい。
愛したい、愛したい。
愛したい、愛したい、愛シタイ……。
もっと……。
愛死体。
愛 シ タ イ ハルヤマ ミツキ @harumitsu33
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