散花(①)

立ち尽くす。

何をすれば……

何を言えば……


生まれて初めてこんなに困惑した。

いつもは何かで解決出来ていた。

難問だって探せば抜け道はある。

その理念でやってこられた。

困ることなんて無かったから。

言葉も出ないほど驚くことなんてなかったから。

圧倒されたことなんて無かったから。


けれど、今この瞬間、その理念が砕け散ってしまったような気がする。


「少し情報量が多かったでしょうか……」


ハン・グモクが言う。

それで何とか言葉が出てきた。


「いえ……今のあなたのお話で確信がつきました」

「本当なんですね……」


「はい」


ハン・グモクが頷く。


「じゃあこれからは『兄上』とお呼びすればよろしいのですね」


「ああ」


兄上が頷く。


「それで、」


「今後どうするのですか?」


すると、兄上が答えた。


「国王は横暴すぎる。この手で止めるしかあるまい」


「つまり……王様に兵を差し向け、謀反を起こすということですか?」


「ああ、その通りだ」


じゃあ私は、どうなるんだろう。

もし勝てば、王女に戻る、のよね。

じゃあ、負ければ?

私は上手く逃げられたとしても、兄上が危ないってこと?

どうにかしないと。

どうすれば良い?

戦いは、最悪の場合も考えて、常に対策を講じていかねばならない。

それを怠れば、負ける。

崩れる。

武術はある程度身につけておかないと。

どうにかならなくなってしまう。

そうだ……

私が兄上を守る形ならば?

それならばどうにかなりうるかもしれない。











__________________

次回、12月3日公開予定です。





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