姪っ子を褒めたら、部屋を追い出された話し~可愛いが 地雷だった~

東雲レイ

【前編】

僕には8才上の姉がいる。

姉には2人の子供がいて

お兄ちゃんが梗太(こうた)10才 小5

妹が捺世(なち)7才・小1。


今日は、捺世のお話です。


捺世は……キラキラ女子とでも言うべきか。

プリキュアが大好きな、夢見る女の子。


日曜の朝に本放送を見たあと、録画でおさらいするのが日課。

そして、その「おさらい」に付き合わされる僕。


ひとつひとつの場面で、「ここ面白いよね!」「これビックリだよね!」「私、ここで泣いたの…!」と初見のときの感情を全部、実況解説してくる。



……おかげでテレビの音は、ほぼ聞こえない。



僕はアニメや漫画で泣いたことがないからこんなに感情豊かなことは、すごいと思う。

でも、共感はできない。


だから僕の返事は、いつも「へー」だけ。


(僕に話して楽しいのか?)


そして、おさらいが終わったあと捺世に「どうだった!?」と聞かれた。

……正直、内容はよく分からない。

だって、アニメの音 ほぼ聞こえてなかったし。


でも、感想何か言わないと駄目だよな〜


あ。

「一生懸命、話す捺世が可愛かったよ」


すると、


「/////////」💦


……え、何で赤面してるんだよ!?

僕、なんか変なこと言ったか!?

あ!「可愛かった」か!?え!?

もしかして、言われ慣れてない!?


「…………め」


「え?何?」


「可愛いって言っちゃ、だめっ💢」




っ、はあーーーーー!?!?!?


「だめ」って何だよ!?

他に何言えば良かったんだよ!!


「もう!レイ出てって!!!!」




……。




………小学生に部屋から追い出された。


(ワケ ガ ワカラナイ

モウ、ボクニハ ナニモ ワカラナイ)



放心状態の僕を見て、姉ちゃんが声をかけてきた。


「もしかして、追い出された?」


「……うん。」


「捺世のこと褒めたでしょ?」


「うん。」


「1年前くらいから褒めたら怒るようになったのよね。だから、私も褒めれなくて…

難しいわよね、今の子って。」


難しいどころじゃねーよ。

理解、出来ねーよ。


……でも。

たしかに、姉ちゃんも褒められないって

きっと大変だ…



うーーーん

怒られるかもしれないけど…



「もう一回、捺世のところ行ってくる」


「懲りないわねぇ〜」


「別にいいだろ」



┈┈┈┈┈┈┈



→→【後編につづく】

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