あなたに“10年間片思い”している幼なじみに癒される、いちゃ甘田舎暮らしASMR ~突然の停電、君のぬくもりだけを頼りに~

丸焦ししゃも

01_再会 ~ぎこちない距離感~

//SE 木々のざわめき

   鳥の声などの自然音



「え……? ええっ!?」//驚き



//SE 遠くから近づく足音(ゆっくりと近づき、最後に目の前で止まる)



「えぇええええ!? こっちに帰ってきてたの!?」


「まさか、こんな田んぼ道でばったり会うなんて思わなかったよ! 全然連絡ないから、びっくりしちゃった」


「えっと、その……」


「なんか、ちょっと背、伸びた? 見ない間にまた大人っぽくなったね」


(少し照れたような、はにかむ息遣い)


「えっ? 私は変わってない?」


「もう! 失礼だなぁ! これでも色々成長してるんですけど! 心も、体もね!」//少しむくれたように、でも楽しげに


(数秒の間。お互いにどう切り出していいか迷うような沈黙)


「……なんだろうね。話したいこと、いっぱいあったはずなのに、いざあなたの顔見ると、なんか頭真っ白になっちゃって――」



//SE 優しい風の音



「ねぇ、これから実家に帰るんでしょ? 良かったら、そこまで一緒に歩かない?」


「うん、ありがと」//嬉しそうに



//SE 足音(二人のテンポが少しずつ合っていくようなイメージ)

   鳥の声などの自然音



「……こうやって一緒に歩くの懐かしいなぁ」


「昔は、こうやって毎日一緒に学校に通ってたよね」//懐かしむように


「小学校の頃からずっと一緒でさ――」


「中学も、高校も、こうして一緒に通ってたよね。ほんと、腐れ縁ってやつだよね、私たち」


「ふふっ、あなたってびっくりするほど朝弱くてさ。遅刻しそうになるたびに、私が毎朝、起こしに行ってたよね」//得意げに


「毎日、毎日、迎えに行ってた私の身にもなって欲しいよね」



//SE 足音

(どんどんゆっくりになっていく。家に到着するのを惜しむイメージ)



「子供の頃は、ここらへんで、日が暮れるまでよく遊んでたよね」


「泥んこになっても、お構いなしでさ」


「あの頃は、毎日が宝物みたいで楽しかったなぁ……」



//SE 田舎の自然音(虫の鳴き声)



「はぁ!? 私、ここの田んぼのハマったことあるって!?」


「それはあなたと悪ふざけしてたからでしょ! あのときは私だけ泥だらけになって大変だったんだからね! 服、洗うのも大変だったんだから!」


「そんなこと言うけど、台風の日に私を連れ出して、おばさんにめちゃくちゃ怒られたのはどこの誰でしたっけ!?」


「まったく……もう子供じゃないのに、こんな話をしちゃうなんて」



//SE 足音(もっとゆっくりになる)



「ふふっ、ああ、もう……昔のこと思い出したらなんか笑えてきちゃった」//楽しそうに


「私、今になって思うんだ。ああいう何気ない日々って、すごく大切なものだったんだなって」//真剣なトーン、少し遠くを見つめるように


「私ね、あの頃のこと、全部ちゃんと覚えてるよ。あなたと過ごした時間、いっぱい笑ったこと。大人に怒られて泣いちゃったこと。たまに、ちょっとケンカしちゃったことも……」



//SE 優しい風の音(静寂が訪れるようなイメージ)



「十年、経っちゃったんだね……」//しみじみと


「十年……って、あっという間だったな。あの頃から、ずっとあなたのこと……」//吐息のような、消え入りそうな声で


「あっ、な、なんでもないよ!」//笑って誤魔化す


「ほら、着いたよね? あなたの実家! 早いもんだね」


「あれ? そういえば、メールが来てたみたい」



//SE 隣で携帯を取り出す、布が擦れるような音

   携帯を操作するタップ音



「えっ、あなたのお母さんから……私に、メール?」//驚いた声


「“今日は突然の用事ができちゃって、明日まで帰れないから、あの子のことお願いね”……だって」


「相変わらずだなぁ、おばさん……」


「ふぅ……」//緊張で、少し長く、深く深呼吸



//SE 木々のざわめき



「こ、これからどうしよっか?」

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