ヤらないと出れない部屋

キャロット🥕

第1話

設定

だいち 22歳:陽キャでイケメン。


〇〇 20歳: 陰キャでもなく陽キャでもない。顔も普通。なんの取り柄もない





何の前ぶれもなく部屋に連れられ眠っていた。

お互い名前も顔も知らない。




だいち「起きた??はじめまして!!」



〇〇「あ、はじめまして…こ、ここって、」






〇〇が言いかけるとモニターがついた。


ピッ__




ゲームマスター「2人ともよく眠れましたか?この部屋はエ〇チしないと出れない部屋です!!!」


〇〇「やらないとって……えええええ????」


だいち「まじか笑」


ゲームマスター「2人とも頑張ってね〜!ご飯の時間になったらまた来ます!」






〇〇は年齢=彼氏いない歴だ。

当たり前に経験は0だ。

それに対してだいちは陽キャで顔もイケメンである。彼女もいないはずない。






だいち「なんかやばい事になってるね笑」


〇〇「ほ、ほんとですね笑出口探します?」


だいち「その前にお互い何も知らないのあれだから自己紹介しよ!」


〇〇「そ、そうですね」


だいち「そんな緊張しないで〜笑俺はだいち、22の社会人!」


〇〇「だいちさん!」


だいち「全然呼び捨てでいいよ笑そっちの方が俺も楽だし」


〇〇「分かりました。私の名前は〇〇で、年齢は20歳です。」


だいち「〇〇って20歳なんだ!大人っぽくて年上かと思った笑」


〇〇「え、ほんとですか!!」


だいち「うん笑〇〇って、なんか恋愛とか余裕でしてそうなのに。彼氏とか、いないの?」


〇〇「いないですよ。彼氏1回も出来たことないんですよ笑」


だいち「えええまじ?結構ビックリ!こんな可愛いのに?」


〇〇「ほんとにそんな事ないんですよ。まじでモテなくて💦だいち…さんこそイケメンだから彼女いるでしょ?」


だいち「俺、彼女いないよ!〇〇彼氏出来たことないのマジか!?ならそーゆうこともしたことない感じ?」


〇〇「…はい。恥ずかしながら///」


だいち「そっか、ちゃんと好きな人とって思ってたら、なかなかチャンスないもんね」







〇〇はそっと目をそらす。

自分の過去を知らない人にこんなあっさりと打ち明けてしまった。

──自分でも、驚いていた。





だいち「そっか…でも恥ずかしくないと思うけどな。正直に話してくれるの嬉しい。」


〇〇「え………?」





だいちはニコッと笑って、少し照れくさそうに髪をかきあげた。





だいち「俺、こういうとこでいきなり他人と閉じ込められるとか、普通ならもっと焦ると思ってたんだけど…〇〇が相手でちょっとホッとしてる自分がいるかも」


〇〇「え、な、なんでですか?」


だいち「なんか、ちゃんとしてるっていうか…無理にテンション上げてこようとしないの、落ち着くんだよね。俺、陽キャっぽく見られるけど、けっこう人選ぶから」






そう言った彼の声は、さっきまでの冗談交じりのトーンとは違っていた。






〇〇「…そんなふうに言ってもらえるなんて思ってもなかったです」


だいち「てか、そろそろ部屋の捜索する?このままだと本当にご飯の時間まで謎の部屋で過ごすことになりそうだし笑」


〇〇「ですね笑でも、ちょっとこの空間…不思議と怖くないです」


だいち「俺も。…なんか変なゲームだけど、少し楽しんでみてもいいかな」


〇〇「…うん!」





2人は顔を見合わせて、微笑んだ。


2人をどんな理由で閉じ込めたのかは分からない



けれど__

今だけはお互いの存在がこの閉ざされた空間の中での安心だった。

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